乾燥肌が秋にひどくなる理由と、秋冬のスキンケアの見直し方
2026年10月23日 公開

乾燥肌が秋にひどくなるのは、空気中の水分が急に減るからです。気象庁の東京の平年値では、空気中の水蒸気の量(水蒸気圧)は9月の21.5hPaから11月には9.6hPaへ、2か月で半分以下になります。夏のあいだ肌を助けていた湿った空気が、10月から一気に乾いていきます。
「夏と同じお手入れなのに、急につっぱる」「ファンデーションが粉っぽい」と感じるのは、肌が変わったというより、まわりの空気が変わったことへの反応です。この記事では、花王のスキンケアの資料と気象庁のデータをもとに、肌がうるおいを保つしくみ、秋に乾く理由、乾燥のサイン、洗顔・保湿・紫外線対策の見直し方を、銀座の美容師の立場でまとめました。
この記事の要点
- 秋は気温と一緒に空気中の水分が急に減る。東京の水蒸気圧は9月21.5hPa→11月9.6hPa(気象庁の平年値)。肌の水分も奪われやすくなる
- 肌のうるおいは「皮脂膜」「ケラチンとNMF(天然保湿因子)」「細胞間脂質」の3つで守られている。こするほど、洗いすぎるほど、守りが弱くなる
- 見直すのは3つ。こすらない洗顔、化粧水のあとに乳液かクリームで油分も、紫外線対策は秋冬も続ける。かゆみや赤みが続くときは皮膚科へ
01乾燥肌が秋にひどくなる理由:空気の水分が、2か月で半分以下に
秋の乾燥は、気のせいではありません。気象庁が公表している東京の平年値(1991〜2020年の平均)を並べると、9月から冬にかけて、空気がどれだけ乾いていくかがよく分かります。
| 月 | 平均気温 | 水蒸気圧(空気中の水分の量) | 平均の相対湿度 |
|---|---|---|---|
| 8月 | 26.9℃ | 26.2hPa | 74% |
| 9月 | 23.3℃ | 21.5hPa | 75% |
| 10月 | 18.0℃ | 14.7hPa | 71% |
| 11月 | 12.5℃ | 9.6hPa | 64% |
| 12月 | 7.7℃ | 5.9hPa | 56% |
| 1月 | 5.4℃ | 4.5hPa | 51% |
天気予報で見る「湿度(相対湿度)」は、9月の75%から11月の64%へと、ゆるやかに下がるだけに見えます。ところが、空気の中の水分の量そのものを表す水蒸気圧は、9月の21.5hPaから11月の9.6hPaへ、半分以下に減っています。気温が下がると、空気が抱えられる水分の量そのものが少なくなるからです。さらに冬は、暖房で室内の空気が温められ、湿度はもっと下がります。
花王は、肌のコンディションや、気温・湿度など肌をとりまく環境によっては、肌が乾燥し、カサつきがちになると説明しています。夏は湿った空気と汗に助けられていた肌が、秋には同じお手入れのままでは足りなくなる。これが「秋になると乾燥肌がひどくなる」いちばんの理由です。
夏の紫外線も、秋の肌荒れに関わる
花王の資料によると、紫外線のうちUVBは、表皮を中心に肌に炎症を起こし、角化(肌の表面が入れ替わるリズム)を乱して早め、肌荒れを起こしやすくします。夏にたくさん浴びた紫外線の影響が残ったまま、空気の乾燥が始まるのが秋です。「秋 肌荒れ」と検索される方が多いのも、うなずけます。
02肌がうるおいを保つ、3つのしくみ
肌のいちばん外側にあるのが角層です。花王によると、うるおいのある美しい肌では、この角層におよそ20〜30%の水分が保たれていて、それを支えているのが次の3つです。
| 場所 | 守っているもの | はたらき |
|---|---|---|
| 肌の表面 | 皮脂膜 | 皮脂と汗がまざった膜。水分が蒸発しすぎるのを防ぐ |
| 角層の細胞の中 | ケラチンとNMF(天然保湿因子) | 細胞そのものがうるおいを抱える |
| 角層の細胞のすき間 | 細胞間脂質(セラミドなど) | すき間を埋めて、水分が逃げるのを防ぐ。バリア機能の一端を担う |
皮脂膜は、多すぎるとベタつきやニキビの原因になりますが、少なすぎると肌がカサつき、肌を守る力も弱まります。秋は気温が下がって汗をかかなくなり、表面の守りが薄くなる季節です。そこに乾いた空気が重なると、角層の水分が逃げやすくなります。
花王は、気温や湿度の変化などで乾燥状態になり、外からの刺激に敏感になりがちな肌を「乾燥性敏感肌」と呼んでいます。これは皮膚の病気ではなく、肌の状態のことです。秋に「いつもの化粧品がしみる気がする」と感じるときは、この状態に近づいているのかもしれません。
03乾燥のサインを、手のひらで確かめる
花王は、うるおい不足は次のようなところから分かるとしています。朝の洗顔のあと、鏡を見る前に、手のひらで頬を包んでみてください。
- 手のひらを肌にすべらせると、吸いつく感じではなく「カサカサ」と音がする
- 洗顔のあと、肌がつっぱる。頬に光沢が出る感じがする
- 肌が白っぽく粉をふく
- ファンデーションののりが悪い
あわせて、唇がかわく、服が静電気をおびる、というときは、空気そのものが乾いているサインです(花王)。肌の状態だけでなく、まわりの空気でも「今日は保湿を厚めに」と判断できます。髪の静電気が気になる方は、髪の静電気の記事もあわせてどうぞ。
04秋冬のスキンケアで見直す3つのこと
- 洗顔:ぬるま湯で予洗いして、泡で包む花王は、まず水かぬるま湯で軽く顔を洗い、よく泡立てた洗顔料で顔全体を包むように洗い、こすらずにすすぐ方法をすすめています。洗顔料を直接肌にのせると、洗浄成分が濃いまま部分的に触れたり、のばすときにこすったりしがちだからです。拭くときもタオルで押さえるだけに。秋は「さっぱり」より「こすらない」を優先します。
- 保湿:化粧水のあとに、乳液かクリームで油分も化粧水は角層に水分と保湿成分を補い、乳液やクリームは、うるおいを与えながら肌の表面に人工の皮脂膜をつくって守ります(花王)。汗と皮脂が減る秋冬は、化粧水だけで終わらせず、油分のある乳液かクリームを重ねてください。花王の目安は、化粧水が手のひらに3〜4振り、乳液が1円玉大、クリームがあずき粒大です。
- 塗り方:均一にではなく、乾くところに重ねる花王は、顔全体に同じ量を塗るのではなく、顔全体のうるおいが均一になるように、乾きやすいところに重ねづけする方法をすすめています。塗ったあとは、手のひら全体を顔に密着させて、うるおいを確かめます。こすったり、力を入れてすりこんだりはしません。
- 紫外線対策は、秋冬も続ける花王によると、紫外線は9月から大きく減りますが、肌の奥まで届くUVAは冬でも夏の半分ほどあります。乳液や下地に紫外線を防ぐものを選び、朝と夜でお手入れを分けるのもひとつの方法です。
肌の乾燥と一緒に、頭皮もカサつきやすくなります。頭皮は顔の肌とひと続きの皮膚なので、秋はシャンプーのあとの頭皮のかゆみやフケが気になる方も増えます。頭皮の乾燥については頭皮の乾燥とフケの記事にまとめています。

かゆみや赤みが続くときは、皮膚科へ
保湿を見直しても、かゆみが強い、赤みや湿疹が出る、かき壊してしまう、というときは、化粧品で何とかしようとせず、皮膚科で相談してください。日本皮膚科学会は、皮膚に何もできていないのにかゆくなる場合、肌の乾燥だけでなく、ほかの病気や飲んでいる薬が原因になっていることもあると説明しています。
05サロンでできること:剥かずに満たすピーリング、ララピール
LUJUでは、白髪染めやヘッドスパの待ち時間に、顔の肌のケアとしてララピールを行っています。韓国H2MEDI社の公式認定を受けたピーリングで、角質を「剥く」のではなく「満たす」タイプです。メーカーは、肌を薄くしないピーリングと説明しています。
LUJUのホームページで書いているとおり、一度の施術からハリとツヤを感じていただけます。ダウンタイムはほとんどなく、痛みや刺激も少なく、施術のあとそのままメイクをして帰れます。はじめの5〜6回を1〜2週間おきに続けた方から、肌の変化の声を多くいただいています(感じ方には個人差があります)。
乾燥で肌が敏感になっている時期も、カウンセリングで肌の状態を確認してから行います。赤みや湿疹が出ているときは、先に皮膚科で相談してください。妊娠中・授乳中の方も受けていただけますので、先にお伝えください。顔に化粧品を使う施術は美容師法の対象とされていて(厚生省の通知)、LUJUでは美容師免許を持つ美容師が、美容室で行います。

06よくある質問
秋の乾燥肌は、化粧水をたっぷりつければ大丈夫ですか?
化粧水は角層に水分を補いますが、それだけでは水分が逃げやすいままです。花王は、化粧水のあとに乳液やクリームを使い、肌の表面に人工の皮脂膜をつくって守る方法をすすめています。汗と皮脂が減る秋冬は、水分と油分の両方を意識してください。
秋になってから、いつもの化粧品がしみる気がします。
気温や湿度の変化で乾燥し、外からの刺激に敏感になっている状態かもしれません(花王はこれを「乾燥性敏感肌」と呼んでいます)。こすらない洗顔と、刺激の少ない保湿を続けてください。赤み・かゆみ・ヒリヒリが続く、ひどくなるときは、使うのをやめて皮膚科で相談してください。
秋や冬も、日焼け止めは必要ですか?
花王の資料では、紫外線は9月から大きく減りますが、肌の奥まで届くUVAは冬でも夏の半分ほどあります。曇りの日にも紫外線は届くとされています。季節に関係なく、朝のお手入れに紫外線を防ぐものを入れてください。
乾燥しやすいのは、肌が年齢で変わったからですか?
年齢による変化がないとは言えませんが、秋に急に乾くのは、まわりの空気の変化が大きいからです。東京では9月から11月で空気中の水分の量が半分以下になります(気象庁の平年値)。まずは洗顔と保湿の方法を季節に合わせて変えてみてください。

参考にした資料
- 気象庁「過去の気象データ検索 東京 平年値(年・月ごとの値)」
https://www.data.jma.go.jp/stats/etrn/view/nml_sfc_ym.php?prec_no=44&block_no=47662 - 花王 スキンケアナビ「うるおいを保つしくみ」
https://www.kao.com/jp/skincare/skin/work-02/ - 花王 スキンケアナビ「肌のうるおいをみる」
https://www.kao.com/jp/skincare/check/check-02/ - 花王 スキンケアナビ「上手な洗顔のしかた」「上手な保湿ケア」
https://www.kao.com/jp/skincare/care/basic-05/ - 花王 スキンケアナビ「紫外線の影響」「乾燥性敏感肌」
https://www.kao.com/jp/skincare/skin/work-03/ - 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A「痒疹・かゆみ Q6」
https://qa.dermatol.or.jp/qa37/q06.html



