髪の静電気はなぜ起きる?冬に広がる髪の対策と、起きたときの直し方
2026年10月21日 公開

髪の静電気は、乾いた空気の中で髪の表面がこすれて電気をおび、その電気が逃げずに残ることで起きます。電気をおびた髪どうしは反発して離れようとするので、髪が広がる、短い毛がツンツン立つ、ブラシや指が通りにくい、という困りごとになります。花王は、静電気を起こりにくくするには、髪の表面のこすれる力を弱めておくことと、湿った状態から根元をそろえてしっかり乾かすことを挙げています。
空気が乾いてくる秋から冬は、マフラーやニット、コートの襟と髪がこすれる場面も増えます。この記事では、静電気が起きる仕組み、起きやすい髪の状態、洗い方・乾かし方での対策、起きてしまったときの直し方を、花王の資料をもとに、銀座の美容師の立場でまとめました。
この記事の要点
- 静電気は、乾いた空気の中で髪がこすれて表面に電気がたまり、逃げずに残ったもの。髪どうしが反発して広がり、とかしにくくなる
- 表面が傷んでこすれやすい髪、ばらばらに乾いた髪ほど起きやすい。コンディショナーを毛先まで薄く行き渡らせ、根元から毛流れをそろえて乾かす
- 起きてしまったら、「〜トリモニウムクロリド」「〜ジモニウムクロリド」などと表示された洗い流さないミストやウォーターを軽くつける。乾いたままブラシでこすらない
01髪の静電気はなぜ起きる?
花王の説明では、静電気は「乾燥した環境で擦れて表面が帯電し、そのまま電荷が動かない状態」です。かんたんに言うと、髪とブラシ、髪と服、髪どうしがこすれると、表面に電気がたまります。空気に水分が多いときは、その電気が自然に逃げていきますが、乾いた空気の中では逃げにくく、髪に残ります。
同じ種類の電気をおびた髪どうしは、反発して離れようとします。だから静電気が起きた髪は、まとまらずにふわっと広がります。とかそうとしても指やブラシの通りが悪く、無理な力がかかりやすい状態です。毛流れを整えようとしても、短い毛があちこちを向いて立ち上がり、表面や毛先が広がったままになります。
| 静電気が起きたときの髪 | 起きていること |
|---|---|
| 髪がふわっと広がる | 電気をおびた髪どうしが反発して離れようとする |
| 短い毛がツンツン立つ | 軽い毛ほど反発で動きやすい |
| ブラシや指が通りにくい | 髪がばらばらに動き、引っかかって無理な力がかかる |
| 顔やマフラーに髪がはりつく | 電気をおびた髪が、ほかのものに引き寄せられる |
秋から冬に起きやすい理由
静電気が起きるには「乾いた空気」と「こすれ」の両方がそろう必要があります。秋から冬は、外の空気が乾き、暖房でも部屋の空気が乾きやすい季節です。そのうえ、マフラーやタートルネック、ニット、コートの襟と髪がこすれる時間が長くなります。乾いた空気で電気が逃げにくく、こすれる場面が多い。冬に髪の静電気が増えるのは、この2つが重なるからです。
02静電気が起きやすい髪の状態
同じ部屋にいても、静電気が起きやすい人と起きにくい人がいます。髪の側で差が出るのは、主に「表面のなめらかさ」と「乾き方」です。
表面が傷んで、こすれやすい髪
健康な髪の表面は、キューティクルが何層にも重なり、そのいちばん外側を18-MEAという脂質がおおっています。花王の説明では、この脂質が紫外線やヘアカラー(ブリーチ)でなくなると、表面にかかるこすれる力が大きくなり、キューティクルが傷むきっかけになります。こすれる力が大きい髪は、そのぶん電気もたまりやすい。シャンプーやスタイリングの回数が多い毛先ほど、また髪が長いほど、表面は傷みやすくなります。
ばらばらに乾いた髪
花王は、ばらばらになって乾いている部分は静電気が起こりやすい、としています。タオルでゴシゴシこすってから、あちこちに風を当てて乾かすと、毛流れがそろわないまま乾き、髪どうしがこすれやすい状態になります。また、ドライヤーで1か所を続けて急に乾かすと、髪の外側と内側の乾き具合の差が大きくなって、キューティクルがそり返って浮き上がることがあり、ブラシを通すと表面が削れやすくなります。
年齢とともに髪の質感が変わったと感じている方は、髪がパサパサになる原因の記事と髪のツヤの出し方の記事もあわせて読んでみてください。表面をなめらかに保つお手入れは、静電気の対策とほとんど同じです。
03静電気を起こりにくくする、洗い方と乾かし方
静電気の対策は、「こすれる力を弱めておく」と「根元から毛流れをそろえて乾かす」の2つに集まります。花王の「季節対策」「髪と頭皮にやさしい洗髪方法」「乾かし方のポイント」をもとに、ふだんのお手入れの順番でまとめます。
- 洗う前に、もつれをとく濡らす前に、手ぐしや目の粗いくしで絡まりをほどきます。濡れた髪は柔らかく、こすれると傷みやすいので、絡まったまま洗わないようにします。
- なめらかな泡で、こすらずに洗うシャンプーは頭皮に行き渡らせ、髪どうしをこすり合わせないように洗います。泡が髪と髪の間のクッションになり、洗っている間のこすれを減らします。
- コンディショナーを、毛先まで薄く全体に花王は、コンディショナーやトリートメントは表面の摩擦を減らし、静電気を防ぐとしています。手で軽く水気をとってから、指通りが足りない毛先を中心に、髪全体に薄くまんべんなく行き渡らせ、ぬるつきが残らないようにすすぎます。
- タオルは押さえて水気をとる濡れた髪をタオルでこすると、表面が傷みやすくなります。髪をはさんで押さえるように、水気をとります。
- 湿っているうちに、根元から毛流れをそろえて乾かす全体がまだ湿っているうちに、根元や内側から毛先に向かって、髪の流れをそろえるように風を当てます。1か所に風を当て続けず、頭全体を行き来しながら少しずつ乾かします。乾かし残しやすいのは、髪が重なる後頭部と耳の上の根元です。
- 最後に冷風で仕上げる指に吸いつくような感触から、さらさらした感触に変わったら乾いた目安です。最後に冷風を当てて、髪を部屋の温度に戻します。

とかす前に、表面をなめらかにしておく
乾いた髪をそのままブラシでとかすと、こすれて電気がたまりやすくなります。花王は、乾いた状態で、ヘアケア剤で髪の表面をなめらかにして摩擦を抑えてから、ブラシや指を通すようすすめています。ブラシの素材による違いを比べた一次資料は見当たりませんでしたが、どのブラシでも、先に表面をなめらかにしておくと引っかかりにくくなります。
服や小物とのこすれを減らす
マフラーやタートルネック、コートの襟は、首まわりの髪と長い時間こすれます。髪を下ろしている日は、マフラーを巻く前に、毛先を中心に洗い流さないトリートメントをなじませておくと、こすれる力を弱められます。長い髪は、ゆるくまとめるのもひとつの方法です。
04静電気が起きてしまったときの直し方
外出先やスタイリング中に髪が広がってしまったら、乾いたままブラシで何度もとかすのは逆効果です。こするほど電気がたまり、表面も傷みます。
花王は、静電気が気になったら、カチオン性界面活性剤を含む洗い流さない製品(ウォーターやミストなど)を軽くつけると、おさまりやすくなるとしています。成分表示では「〜トリモニウムクロリド」「〜ジモニウムクロリド」などの名前で書かれています。手元のヘアミストやウォーターの成分表示を、一度見てみてください。
- 広がった部分に、ミストやウォーターを軽く吹きかける(つけすぎない)
- 手のひらで、髪の表面を上から下へ軽くなでる
- 髪の流れがそろったら、目の粗いくしか手ぐしで整える
ミストが手元にないときは、手のひらを少し湿らせて、髪の表面を上から下へなでるだけでも、広がりがおさまることがあります。毛先には、手に残ったトリートメントを少しなじませておきます。
05美容室でできること。表面がこすれにくい髪に整える
静電気が起きやすい方の髪を見ると、毛先の表面が傷んで、こすれやすくなっていることがよくあります。毛先の傷んだ部分は、家のお手入れだけでは元に戻りません。傷みが進んだ毛先を切りそろえるだけでも、こすれる部分が減って、まとまりやすくなります。
白髪染めを続けている方は、髪の表面への負担も重なります。LUJUでは、根元を地肌から約0.1mm浮かせて塗る「ゼロテク」で、ハケを地肌に当てずに、根元のぎりぎりまで塗ります。カウンセリングではマイクロスコープで頭皮を拡大して、その日の地肌をいっしょに確認し、赤みや傷がある日は無理に染めない提案もします。
白髪染めを続けている方は、髪の表面への負担も重なります。LUJUでは、根元を地肌から約0.1mm浮かせて塗る「ゼロテク」で、ハケを地肌に当てずに、根元のぎりぎりまで塗ります。カウンセリングではマイクロスコープで頭皮を拡大して、その日の地肌をいっしょに確認し、赤みや傷がある日は無理に染めない提案もします。
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06よくある質問
髪の静電気は、なぜ冬に多いのですか?
静電気は、乾いた空気の中で髪がこすれて電気がたまり、逃げずに残ることで起きます。冬は空気が乾きやすく、マフラーやニットと髪がこすれる時間も長いので、2つの条件がそろいやすい季節です。
静電気を防ぐには、何がいちばん効きますか?
髪の表面のこすれる力を弱めておくことです。花王は、コンディショナーやトリートメントが表面の摩擦を減らして静電気を防ぐとしています。毛先まで薄くまんべんなく行き渡らせ、湿っているうちに根元から毛流れをそろえて乾かしてください。
静電気が起きたとき、すぐに直す方法はありますか?
「〜トリモニウムクロリド」「〜ジモニウムクロリド」などと成分表示にある、洗い流さないミストやウォーターを軽くつけると、おさまりやすくなります。乾いたままブラシで何度もとかすと、かえって電気がたまるので避けてください。
ブラシを替えると、静電気は減りますか?
ブラシの素材による違いを比べた一次資料は見当たりませんでした。どのブラシでも、とかす前にヘアケア剤で髪の表面をなめらかにしておくと、引っかかりやこすれが減ります。
白髪染めをしていると、静電気が起きやすくなりますか?
ヘアカラーやブリーチで髪の表面の脂質が失われると、こすれる力が大きくなる、と花王は説明しています。こすれやすい髪ほど電気もたまりやすいので、染めている方ほど、コンディショナーや洗い流さないトリートメントで表面をなめらかに保つことが大切です。

参考にした資料
- 花王 ヘアケアサイト「季節対策」
https://www.kao.com/jp/haircare/scalp-care/9-6/ - 花王 ヘアケアサイト「キューティクルの傷み」
https://www.kao.com/jp/haircare/hair/3-2/ - 花王 ヘアケアサイト「その他の影響」
https://www.kao.com/jp/haircare/hair/3-8/ - 花王 ヘアケアサイト「乾かし方のポイントとしくみ」
https://www.kao.com/jp/haircare/scalp-care/9-4/ - 花王 ヘアケアサイト「髪と頭皮にやさしい洗髪方法」
https://www.kao.com/jp/haircare/scalp-care/8-1/



