頭皮がベタベタする原因は?夕方のベタつきと、洗い方・乾かし方

美容師 中村一成
銀座の美容室LUJU代表・美容師15年目
2026年10月21日 公開
シャンプー台で、指の腹を使って髪と地肌を洗っている様子
ベタつきの多くは、皮脂そのものより「洗い残し・すすぎ残し」で強くなります

頭皮のベタベタは、洗ったあとに出てきた皮脂が、頭皮に広がり、髪の根元へ移っていくことで起こります。花王の調べでは、皮脂は洗髪からおよそ1日で頭皮に広がり、そのあと髪に移ります。皮脂は出て当たり前のものです。ベタつきが強くなる理由の多くは、皮脂が多いことより、洗い残しやすすぎ残しで、古い皮脂が頭皮に残っていることにあります。

この記事では、頭皮がベタベタする原因、毛先はパサパサなのに頭皮だけベタつくわけ、季節による違い、洗い方と乾かし方、皮膚科へ行く目安を、花王と第一三共ヘルスケアの資料をもとに、銀座の美容師の立場でまとめました。

この記事の要点

  1. 皮脂は、洗髪からおよそ1日で頭皮に広がり、髪の根元へ移る。夕方〜翌日にベタつくのは自然なこと。古い皮脂が残ると、かゆみやにおいのもとにも変わる
  2. 強くなる原因で多いのは、髪の表面だけのなで洗いと、短いすすぎ。耳の上・耳のうしろ・襟足・頭頂部が洗い残しやすい
  3. 赤み・フケ(黄色っぽく脂っぽいもの)・かゆみが続くなら、脂漏性皮膚炎のこともある。シャンプーを次々に変えるより、皮膚科へ

01頭皮がベタベタする原因

頭皮からは、いつも皮脂が出ています。皮脂は頭皮と髪を守る大切なものです。花王は、洗髪後に皮脂がどう動くかを調べていて、皮脂はおよそ1日で頭皮に広がり、そのあと髪に移っていくと説明しています。朝に洗った髪が夕方〜翌朝に根元からペタッとしてくるのは、この流れです。

問題になるのは、皮脂が頭皮に長く残ったときです。時間がたつと、皮脂は頭皮の常在菌や酸化で分解され、脂肪酸という物質に変わります。脂肪酸の中には、赤みやかゆみの刺激、においのもとになるものがあります。花王は、フケや赤みがある人の頭皮では、この脂肪酸の割合が高いことを確かめています。

ベタつきが強くなる理由どういうことか
洗い残し髪の表面だけをなでるように洗い、頭皮までシャンプーが届いていない
すすぎ残しシャンプーでつかまえた皮脂が、すすぎが短いと頭皮に残る
洗う間隔があく皮脂が頭皮に何日も残り、分解が進む
汗をそのままにする汗を放っておくと菌が増えやすく、脂肪酸ができやすい
コンディショナーが根元に残る根元に残ると、べたつきやボリュームの出にくさにつながる
花王 ヘアケアサイト「頭皮の皮脂の挙動とトラブル」「頭皮のトラブルを防ぐには」「頭皮洗浄の効果と実態」「髪と頭皮にやさしい洗髪方法」をもとに整理

花王の調査では、毎日洗髪する人が多い今でも、頭を起こしたままシャワーで髪の表面だけをなで洗い・なですすぎしている人や、すすぎの時間がシャンプーを行き渡らせる時間よりかなり短い人が多く見られました。毎日洗っていても、頭皮を洗う意識がないと、皮脂などの油性の汚れは少しずつ残って溜まり、根元のべたつきやかゆみ、フケにつながります。

02毛先はパサパサなのに、頭皮はベタベタ。そのわけ

「頭皮はベタつくのに、毛先はパサパサ」という方はとても多いです。これは矛盾しているわけではなく、根元と毛先で起きていることが別だからです。

毛先のパサつきは、主に髪の表面(キューティクル)の傷みで起こります。花王の説明では、キューティクルは、シャンプーやスタイリングでこすれたり引っ張られたりするたびに削れ、シャンプーとスタイリングの回数が多い毛先ほど傷んで枚数も少なくなります。ヘアカラーや紫外線のあとは、さらにはがれやすくなります。つまり、毛先のパサつきと、根元の皮脂は別々の原因です。

ですから、頭皮のベタつきが気になるからといって、髪全体をきしむほど強く洗うと、毛先の傷みが進みます。反対に、毛先のパサつきが気になるからといって、コンディショナーやトリートメントを根元までたっぷりつけると、根元が重くなります。「頭皮はシャンプーで、毛先はコンディショナーで」と、場所で分けて考えるのが近道です。毛先のパサつきについては髪がパサパサになる原因の記事にくわしく書いています。

冬もベタつく?季節による違い

夏は汗と皮脂が多く、ベタつきやすい季節です。ただ、花王の調べでは、頭皮の上に残る皮脂は、夏より冬のほうが多いとされています。夏の皮脂はさらっとしていて汗とまざり、髪へ移りやすい。冬は固まりやすい脂が多く、髪へ移りにくいため、頭皮に残りやすいのです。冬にフケやかさつきが出やすい理由のひとつとされています。また、髪が細かったり少なかったりすると、皮脂が移る先の髪の表面が小さいので、同じ皮脂の量でも頭皮に残りやすいと考えられています。

03ベタつきを減らす洗い方

ベタつきを減らすのに、特別なシャンプーより先に見直したいのが洗い方です。花王の「髪と頭皮にやさしい洗髪方法」をもとに、順番にまとめます。

  1. 洗う前に、髪のもつれをとく濡らす前に、手ぐしや目の粗いくしで絡まりをほどいておきます。洗っている間のこすれを減らせます。
  2. 頭皮までしっかり濡らす指で髪をかき分けながら、髪の表面だけでなく頭皮まで濡らします。濡れていれば泡立ちがよくなり、シャンプーが広がりやすくなります。
  3. シャンプーは頭皮につける量の目安は、あご〜肩の長さで約6g(ポンプ2押しくらい)、肩〜わきの下で約10g(3押しくらい)。洗い残しやすい耳の上、後頭部、頭頂部の頭皮につけ、指の腹を小刻みに動かして全体に行き渡らせます。爪は立てません。
  4. 泡立ちが悪ければ、2度洗い皮脂が多い日、スタイリング剤をしっかりつけた日、洗う間隔があいた日は、1度目で泡立たないことがあります。いったんすすいで、2度目に頭皮へシャンプーを行き渡らせます。十分に泡立っていれば1度で足ります。
  5. すすぎは、ぬるつきがなくなるまで指の腹で頭皮に触れながら、髪に指を通して、ぬるつきが残らないようにすすぎます。耳のうしろ、襟足、後頭部のまん中はすすぎ残しやすいので、最後にもう一度。首を少し傾けるとすすぎやすくなります。
  6. コンディショナーは髪につけるコンディショナーやトリートメントは髪の状態を整えるものなので、毛先を中心に髪につけ、根元には残さないようにすすぎます。
シャンプー台で髪を洗っている様子
すすぎは、シャンプーを行き渡らせた時間より長めに。耳のうしろと襟足は最後にもう一度

「毎日洗ったほうがいい?」という質問には、花王は「頭皮のかゆみやにおい、髪のべたつきが気にならない頻度で」と答えています。皮脂や汗の量は、人によっても、季節や動いた量によっても変わります。洗いすぎを心配して間隔をあけるより、古い皮脂を頭皮に長く残さないことのほうが大事です。

04乾かし方と、日中にできること

洗ったあとは、根元から乾かします。花王は、根元を頭皮から浮かせるように乾かすと、髪が動きやすくなって毛流れを整えやすく、根元のボリュームにもつながる、としています。乾かし残しやすいのは、髪が重なる後頭部と耳の上の根元です。濡れたまま寝たり、根元が生乾きのまま結んだりすると、根元がつぶれて、ベタついて見えやすくなります。

  • 汗をかいたら、そのままにせず、タオルやハンカチで押さえるように拭く
  • 整髪料をつけるなら、毛先を中心に。根元にはつけすぎない
  • 帽子をかぶった日は、帰ったら根元を手ぐしで起こして風を通す
  • 枕カバーやタオルは、こまめに替える

頭皮のベタつきやにおいが気になる時期は、頭皮と顔をいっしょに整える時間をつくるのもひとつです。頭皮と顔の皮膚はひと続きなので、頭皮のお手入れを見直すときは、顔のケアもいっしょに考えてみてください。

05ベタつきに加えて、こんなときは皮膚科へ

頭皮のベタつきに、赤みやフケがいっしょに出ているときは、脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)のことがあります。第一三共ヘルスケアの解説では、脂漏性皮膚炎は、頭皮や生え際など皮脂の多い場所にできる湿疹で、皮膚の常在菌であるマラセチアというカビの一種が関わると考えられています。フケは、黄色っぽく脂っぽい湿ったものと、乾いたうろこ状のものがあり、かゆみはそれほど強くないこともあります。軽いうちは「ただのフケ症」と思って受診しない人が多い一方、良くなったり悪くなったりを繰り返しやすい病気とされています。

こんなときは、皮膚科へ

  • ベタつきに加えて、生え際や頭皮が赤い
  • 黄色っぽい脂っぽいフケ、または乾いたうろこ状のフケが増えた
  • かゆみが続く、かさぶたができる、じゅくじゅくしている
  • 洗い方を見直して2週間ほどたっても変わらない

診断と治療は皮膚科の仕事です。シャンプーを次々に変えるより、一度診てもらうほうが早道です。薬局で売っている抗真菌成分入りのシャンプーも、使う前に皮膚科や薬剤師に相談すると安心です。

06美容室で伝えてほしいこと

頭皮のベタつきが気になると、美容室に行くのをためらう方もいます。美容師は毎日たくさんの方の頭皮に触れています。皮脂が出るのは当たり前のことなので、気にされなくて大丈夫です。むしろ「夕方になるとベタつく」「洗ってもすっきりしない」「毛先はパサつく」と先に教えていただけると、洗い残しやすい場所や、ふだんの洗い方をいっしょに確かめられます。

LUJUでは、カウンセリングのときにマイクロスコープで頭皮を拡大した写真を見ながら、その日の地肌をいっしょに確認します。自分では見えない頭皮の様子がわかると、家でどこを意識して洗えばいいかがはっきりします。赤みや傷があるときは、無理に施術を進めず、皮膚科での相談をおすすめしています。

マイクロスコープで拡大した、地肌と髪の根元
LUJUでは、マイクロスコープで拡大した地肌を、お客様といっしょに見ます

LUJUのリラックスケアコースは、若返りヘッドスパと、顔のケア(ララピール)を合わせた約2時間のコースです。頭皮と顔を一度に整えたい方は、コースのページをご覧ください。

07よくある質問

頭皮がベタベタするのは、皮脂が多い体質だからですか?

皮脂の量には個人差がありますが、ベタつきが強くなる理由で多いのは、洗い残しやすすぎ残しで古い皮脂が頭皮に残っていることです。まずは、頭皮までシャンプーを届けて、ぬるつきがなくなるまですすぐ洗い方を2週間ほど続けてみてください。

ベタつくなら、1日2回洗ったほうがいいですか?

花王は、洗う頻度は「頭皮のかゆみやにおい、髪のべたつきが気にならない頻度で」としています。回数を増やす前に、1回の洗い方とすすぎを見直すのが先です。泡立ちが悪い日は、1回の洗髪の中で2度洗いをします。

頭皮がベタつくのに、毛先がパサパサなのはなぜですか?

根元と毛先で起きていることが別だからです。根元のベタつきは頭皮の皮脂、毛先のパサつきは主に髪の表面(キューティクル)の傷みです。頭皮はシャンプーで、毛先はコンディショナーで、と場所で分けてお手入れしてください。

頭皮のベタつきは、冬でも起きますか?

起きます。花王の調べでは、頭皮の上に残る皮脂は夏より冬のほうが多いとされています。冬は固まりやすい脂が多く、髪へ移りにくいためです。冬のフケやかさつきの一因にもなるので、寒い季節も頭皮のすすぎは丁寧に。

ドライシャンプーでもいいですか?

洗えない日のつなぎとしては使えますが、頭皮の皮脂や汗を洗い流すことの代わりにはなりません。次に洗える日は、頭皮までシャンプーを届けて、しっかりすすいでください。

シャンプー台で髪を洗っている様子

LUJU 銀座

頭皮と顔を、
まとめて整える日に。

若返りヘッドスパと、顔のララピール。
はじめての方 19,800円(税別)・約2時間

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美容師 中村一成

この記事を書いた人

中村一成

銀座の美容室LUJU代表・美容師15年目

銀座の美容室LUJU(ルジュ)代表。美容師15年目で、これまで1万人以上の髪と顔に触れてきました。髪と肌を一緒に見る美容師として、地肌を守る白髪染めと、肌を育てるケアを続けています。Instagramのフォロワーは16.5万人。『美ST』2025年3月号に掲載。

Instagramを見る(@nakamura_luju_wellaging)

参考にした資料

  1. 花王 ヘアケアサイト「頭皮の皮脂の挙動とトラブル」
    https://www.kao.com/jp/haircare/scalp/5-3/
  2. 花王 ヘアケアサイト「頭皮のトラブルを防ぐには」
    https://www.kao.com/jp/haircare/scalp/5-4/
  3. 花王 ヘアケアサイト「頭皮洗浄の効果と実態」
    https://www.kao.com/jp/haircare/scalp/5-5/
  4. 花王 ヘアケアサイト「髪と頭皮にやさしい洗髪方法」「洗髪のQ&A」
    https://www.kao.com/jp/haircare/scalp-care/8-1/
  5. 第一三共ヘルスケア ひふ研「脂漏性皮膚炎」
    https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/site_hifuken/symptom/shirouseihifuen/