白髪は抜くと増える?抜かないほうがいい理由と、切る・染めるの選び方
2026年10月12日 公開

白髪は、抜いても増えません。「抜くと増える」には科学的な根拠がなく、迷信とされています。
それでも、抜くのはおすすめしません。抜いたあとに同じ毛穴から生えてくるのは基本的にまた白髪で、毛根には負担だけが残るからです。この記事では、増えたように感じる理由、抜くと起きること、数本のうちの切り方、染めどきの目安を、ヘアカラーのメーカーの研究員の解説と日本皮膚科学会の資料をもとに整理しました。
この記事の要点
- 「白髪を抜くと増える」に科学的な根拠はありません。抜く時期と、白髪が増え始める時期が重なるため、そう感じやすいと説明されています
- 抜いても、同じ毛穴から生えてくるのは基本的に白髪です。黒い髪には戻りません。くり返し抜くと、毛根が傷み、生えてこなくなることがあります
- 数本なら根元の近くで切る。分け目や生え際にまとまって出てきたら、染める・なじませる方法に切りかえるのが目安です
01白髪は抜くと増える?答えは「増えない」
鏡の前で1本見つけて、つい抜いてしまう。そのあとで「抜くと増えるって聞いたけれど」と気になった方は多いと思います。
ヘアカラーのメーカーのホーユーは、お客様相談のQ&Aで、白髪を抜いたことが原因で白髪が増えることはないと答えています。同社の研究員が監修した記事でも、抜くと増えるという科学的な報告は今のところ無い、とされています。
それでも「増えた」と感じる理由
同じQ&Aでは、白髪を抜き始めるころには、年齢による白髪の増加がすでに始まっていることがほとんど、と説明されています。日本人に白髪が出始めるのは、個人差はあるものの、平均すると35歳を過ぎたころからとされています。
つまり、順番はこうです。白髪が出始める。気になって抜く。そのあいだにも、ほかの髪が少しずつ白くなる。抜いたことと増えたことが同じ時期に起きるので、「抜いたから増えた」と結びつけやすいのです。
| よく聞く話 | 資料でわかっていること |
|---|---|
| 抜くと増える | 根拠はなく、迷信とされています。抜く時期と、白髪が増える時期が重なるだけです |
| 抜くと、次は黒い髪が生える | 同じ毛穴から生えてくるのは、基本的に白髪です |
| 1〜2本なら、抜いても平気 | 1〜2回で生えなくなることはないとされていますが、くり返すと毛根が傷み、生えてこなくなることがあります |
02抜いたら、次は黒い髪が生えてくる?
これも、よくある期待です。残念ながら、そうはなりません。
髪の色は、毛根にある色素細胞(メラノサイト)がつくるメラニン色素で決まります。白髪は、この色素がつくられなくなったり、届かなくなったりした髪です。抜いても、毛根の奥のその状態は変わりません。ホーユーの研究員が監修した記事は、白髪を抜いても、同じ毛根から再び生えてくるのは基本的に白髪で、抜くことで黒髪に戻ることはないとしています。
抜いた髪は、すぐには生えてきません。日本皮膚科学会によると、髪には伸びる時期と休む時期があり、休む時期は2〜3か月続きます。無理に抜いたあとは、次の髪が顔を出すまでしばらくかかり、出てきたときには短い白髪がぴんと立って、かえって目につくことがあります。
白髪ができる仕組みそのものは、白髪が増えるのはなぜ?の記事でくわしく書いています。
03それでも、抜かないほうがいい3つの理由
増えないのなら抜いてもいいのでは、と思うかもしれません。抜かないほうがいい理由は、増えるかどうかとは別のところにあります。
1. 毛根に負担がかかる
専門家が監修したホーユーの記事によると、伸びている最中の髪の根元(毛球)は、皮膚の下3mmほどのところにあります。無理に引き抜くと、そこに力がかかります。1〜2回で生えなくなることはないものの、回数が多いと毛球が傷み、生えてこなくなることがあるとされています。
白髪が出やすいのは、分け目や生え際、こめかみなど、もともと人の目に入りやすい場所です。そこで髪の本数まで減ってしまうのは、避けたいところです。
2. 頭皮が荒れることがある
同じ記事は、抜くときの刺激で炎症が起き、かゆみや抜け毛につながる可能性がある、としています。敏感な肌の方は、とくに気をつけたい点です。抜いたあとに赤みや痛み、腫れが続くときは、さわらずに皮膚科で相談してください。
3. 次の白髪が、かえって目立つことがある
抜いたあとに生える白髪は、細くなったり、くせが出たりして目立ちやすくなる可能性がある、とも説明されています。これについては、はっきり示した研究報告はまだ無い、とメーカー自身が断っています。確かなのは、生えかけの短い髪は寝にくく、白いぶん目に入りやすい、ということです。
抜いたあと、こんなときは皮膚科へ
- 抜いたところの赤み・痛み・腫れが、何日も続いている
- かゆみや、膿をもったぶつぶつが出てきた
- 気づくと髪を抜いていて、自分では止めにくい
日本皮膚科学会は、髪を抜く癖が強くなって広く抜けてしまう状態(抜毛癖)は、皮膚科専門医の診察で正しく診断してもらうことを勧めています。抜かなくなれば、自然に生えてくるとされています。
04数本のうちは、抜かずに根元の近くで切る
白髪がまだ数本のうちは、切るのがいちばん手軽です。毛根に力がかからないので、抜くより頭皮への負担が少なくてすみます。
- 明るい場所で、白髪を1本だけ分けるまわりの黒い髪をクリップやピンでよけます。いっしょに切ってしまうのを防ぐためです。
- 先の細い、小さなハサミを使う眉用のハサミが扱いやすい大きさです。刃先を地肌に当てないようにします。
- 根元の近くで切る地肌ぎりぎりを狙いすぎないこと。少し残っても、まわりの髪にかくれます。
- 切るのは、目につくところだけ切った髪は短く立ちやすいので、表面や分け目の、必要なところだけにします。
後頭部やつむじのうしろは、自分では見えません。合わせ鏡で無理をするより、美容室でカットのついでに頼むほうが安全です。
切った白髪は、また伸びてくる
切っても、髪はまた伸びます。何週間かすると、短い白髪が表面に出てきます。切る本数が増えてきたら、次の方法を考えるころです。
05増えてきたら、染める・なじませるに切りかえる
何本になったら染める、という決まりはありません。目安にしやすいのは、本数よりも「場所」と「手間」です。
まだ、切るので足りる
- 場所
- あちこちに、ぽつぽつと数本
- 手間
- 月に1回、数本切れば気にならない
- 気持ち
- 鏡を見るたびに探してはいない
染めることを考えるころ
- 場所
- 分け目・生え際・こめかみに、まとまって出てきた
- 手間
- 切っても、すぐに次が気になる
- 気持ち
- 抜きたくなる回数が増えた
染め方にも段階があります。
| 方法 | 向いているとき | 知っておきたいこと |
|---|---|---|
| 一時的にかくす(マスカラ・スティックなど) | お出かけの日だけ、生え際や分け目をかくしたい | その日のうちにシャンプーで落とします |
| カラートリートメント・ヘアマニキュア | 少しずつ色をのせたい。本格的に染めるまでのつなぎ | 洗うたびに少しずつ色が落ちるので、続けて使います |
| 白髪染め・おしゃれ染め(酸化染毛剤) | しっかり色を入れたい。明るさも変えたい | かぶれることがあるため、毎回パッチテストをします |

白髪がまだ少ないうちは、真っ黒に塗りつぶす必要はありません。白髪と黒い髪の中間くらいの明るさにすると、伸びてきた根元との境目がやわらかくなります。色の選び方は白髪が目立たないカラーの選び方に、生え際だけ気になるときは生え際の白髪・こめかみの白髪の記事にまとめています。
06美容室で相談するときに、伝えてほしいこと
「白髪を抜いてしまっていて」と美容師に言うのは、少し気が引けるかもしれません。でも、どこを抜いていたかがわかると、その場所の髪の生え方や地肌を見ながら、切り方と染め方を決められます。遠慮なく伝えてください。

LUJUでは、カウンセリングのときに、マイクロスコープで頭皮を拡大した写真を見ながら、その日の地肌をいっしょに確認します。赤みや傷がある日は、無理に染めない提案もしています。
染めるときは、根元を地肌から約0.1mm浮かせて塗る「ゼロテク」で行います。ハケを地肌に当てないので、地肌に薬剤がつきにくい塗り方です。メインコースでは、白髪をしっかり染める方法のほかに、ブリーチを使わずに白髪をなじませる染め方も選べます。どれにするかは、白髪の量と場所を見て、カウンセリングで決めます。
染めたあとにかゆみ・赤み・腫れが出たことがある方は、染める前に皮膚科で相談してください。
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07よくある質問
白髪を抜いてしまいました。もう生えてこないのでしょうか?
1〜2回抜いただけで生えなくなることはない、とされています。髪には休む時期が2〜3か月あるので、次の髪が見えてくるまで少し待ってください。これからは抜かずに、根元の近くで切るようにすると、毛根への負担を減らせます。
白髪を抜くと、はげるというのは本当ですか?
数回で髪が生えなくなることはないとされていますが、同じ場所をくり返し抜くと、毛根が傷み、生えてこなくなることがあると説明されています。分け目や生え際は、とくに抜かないようにしてください。
抜いたあとに、黒い髪が生えてくることはありますか?
同じ毛根から生えてくるのは、基本的に白髪です。抜くことで黒い髪に戻ることはない、とメーカーの研究員は説明しています。
抜くのと切るのは、どちらがいいですか?
切るほうです。毛根に力がかからないので、頭皮への負担が少なくてすみます。先の細い小さなハサミで、まわりの黒い髪をよけてから、根元の近くで切ってください。
白髪を抜くのが、やめられません。
専門家が監修したホーユーの記事は、白髪を抜くのが楽しいと感じるときは、ストレスのサインかもしれない、としています。気づくと抜いていて止めにくいとき、抜いたところが広がってきたときは、皮膚科で相談してください。日本皮膚科学会は、心の負担が関わっていそうな場合は、心療内科などの医師に相談するとよい、としています。

参考にした資料
- ホーユー お客様相談室 よくあるご質問「髪について(豆知識)」
https://www.hoyu.co.jp/customer/faq-trivia/ - ホーユー「『白髪を抜くと増える』は迷信!専門家が正しい対処法と対策を解説します」(監修:国際毛髪皮膚科学研究所 所長 井上哲夫氏・2026年)
https://www.hoyu.co.jp/licolo/category/hair-care/4548.html - ホーユー「今日からできる白髪対策。研究員が効果的な対処法を徹底解説!」(監修:ホーユー総合研究所 研究員・2026年)
https://www.hoyu.co.jp/licolo/category/hair-care/2141.html - 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A「脱毛症 Q1 毛が伸びる、または生えかわる仕組み」
https://qa.dermatol.or.jp/qa11/q01.html - 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A「脱毛症 Q15 毛を抜く癖がありますが脱毛症になりますか?」
https://qa.dermatol.or.jp/qa11/q15.html



