ジアミンアレルギーとは?白髪染めで出る症状と、その後の選び方

美容師 中村一成
銀座の美容室LUJU代表・美容師15年目
2026年10月11日 公開
中村一成が、お客様に自宅でのケアを説明している様子
染めたあとに気になったことは、小さなことでも次の予約の前に伝えてください

ジアミンアレルギーとは、白髪染めやおしゃれ染めに入っている「酸化染料」にふれて起きる、アレルギーのかぶれのことです。酸化染料の代表がパラフェニレンジアミンという成分で、美容室ではまとめて「ジアミン」と呼んでいます。

一度このアレルギーになると、症状がいったん治まっても、同じ種類の白髪染めを使えばまた出ます。続けるほど重くなることもあります。この記事では、症状の出方、皮膚科での検査、そのあとの染め方の選び方を、消費者庁と日本ヘアカラー工業会の資料をもとに整理しました。

この記事の要点

  1. ジアミンは、白髪染め(酸化染毛剤)の色のもとになる酸化染料のこと。アレルギーのかぶれを起こしやすい成分です
  2. 何年も平気だった方にも、ある日出ることがあります。いったん治まっても、染めればまた出て、次第に重くなることがあります
  3. かゆみ・赤み・腫れが出たら、白髪染めをやめて皮膚科へ。次に何で染めるかは、医師に相談して決めます

01ジアミンとは?白髪染めのどこに入っているか

髪を染めるものは、大きく2つに分かれます。医薬部外品の「染毛剤」と、化粧品の「染毛料」です。美容室の白髪染めやおしゃれ染め、市販のヘアカラーの多くは、染毛剤の中の「酸化染毛剤」にあたります。

酸化染毛剤は、1剤と2剤を混ぜて使います。1剤に入っている酸化染料が、髪の内側で2剤の力を受けて発色し、色が定着します。消費者庁の報告書は、酸化染料の代表として、パラフェニレンジアミン、トルエン-2,5-ジアミン、メタアミノフェノール、パラアミノフェノールなどを挙げています。「ジアミン」は、このうち名前にジアミンとつく成分をさす呼び方です。

酸化染毛剤(白髪染め・おしゃれ染め)染毛料(ヘアマニキュアなど)
分類医薬部外品化粧品
染まり方染料が髪の内側まで入って発色する染料が髪の表面につく
色持ち色落ちが少なく、長く続く少しずつ落ちるので、短い
明るさ明るい色にも暗い色にもできる極端に明るい色にはできない
アレルギーのかぶれ起こしやすい酸化染毛剤とくらべると少ない
消費者庁 消費者安全調査委員会「毛染めによる皮膚障害」報告書 概要(2015年)をもとに作成

同じ報告書は、酸化染毛剤を「いちばん広く使われていて、いちばんアレルギーのかぶれになりやすい製品」と説明しています。色持ちがよく、色の幅も広い。その長所を支えている成分が、アレルギーの原因にもなる、という関係です。代わりになる成分は今のところ無く、製品の改良ですぐにリスクを下げるのはむずかしい、とも書かれています。

02ジアミンアレルギーの症状は?いつ、どこに出るか

消費者庁の報告書によると、毛染めで起きるのは主にかぶれ(皮膚炎)で、まれに全身に症状が出る反応が起きることもあります。日本ヘアカラー工業会は、ヘアカラーのアレルギーを、すぐに出るタイプと遅れて出るタイプに分けて説明しています。遅れて出るタイプは、染めたあとから症状が出始め、48時間後にかけてひどくなる傾向があります。

遅れて出るタイプ

出るとき
染めたあとから。48時間後にかけて強くなる
症状
かゆみ、赤み、顔の腫れ、ブツブツ

すぐに出るタイプ

出るとき
染めている最中〜30分くらい後
症状
息苦しさ、めまい、強いかゆみや赤み、じんましん

出る場所は、頭皮だけではありません。消費者庁の報告書には、顔が赤く腫れた例、耳のまわりや首すじ、手の指に症状が出た例が載っています。症状が重くなると、薬剤がふれた場所をこえて広がることもあります。

「かゆいだけ」のうちに気づく

気をつけたいのは、最初は軽いことです。消費者庁の調査では、染めて異常を感じた人のうち、「しばらくすると治まったので何もしなかった」人が、美容室で染めた場合で62.7%、自宅で染めた場合で52.8%いました。医療機関を受診した人は、美容室で3.6%、自宅で9.7%です。

報告書には、40代から自宅で染めてきた方が、2年ほど前から染めるたびに痛みやかゆみを感じていたのに、市販の薬で治まるので染め続け、ある日、顔が赤く腫れて初めて受診した例が紹介されています。日本ヘアカラー工業会も、症状がかゆみだけでも、染めるたびに感じたり強く感じたりする場合は、アレルギーの可能性が高いとしています。

こんなときは、すぐに医療機関へ

  • 息苦しい、めまいがする、気分が悪い
  • じんましんが全身に広がっている
  • 顔やまぶたが大きく腫れてきた

染めている最中や直後のこうした症状は、急を要することがあります。美容院では、診断や治療はできません。

03何年も平気だったのに、ある日出るのはなぜ?

日本皮膚科学会は、アレルギーのかぶれには2つの段階があると説明しています。原因の物質に体が反応する準備ができる段階と、そのあとにもう一度ふれて、炎症が起きる段階です。準備ができるまでは、ふれても症状は出ません。

だから、「今まで大丈夫だった」は、「これからも大丈夫」という意味にはなりません。消費者庁の報告書も、これまで異常を感じたことのない人でも、続けて染めるうちにアレルギーのかぶれになることがある、としています。同じ調査で「症状が出ない人は、ずっと出ないままだと思う」と答えた人は、約4割いました。

50代以上では、5割以上の方が1か月に1回以上染めています。報告書は、染める回数が増えて原因の物質にふれる機会が増えれば、アレルギーのかぶれのリスクは大きくなると考えられる、としています。白髪染めを長く続けていく年代ほど、知っておきたいことです。

そして、一度なると元には戻りにくいものです。日本ヘアカラー工業会は、一度アレルギーの症状が出ると、その体質は一生続くと言われている、と説明しています。「体調がよい日なら大丈夫」「お店や製品を変えれば大丈夫」とは言えません。

04ジアミンアレルギーの検査は、何科で受ける?

相談先は皮膚科です。原因を調べる検査として、パッチテストがあります。日本皮膚科学会の説明では、原因と考えられる物質をつけた専用のテープを、背中などに48時間貼ります。貼っているあいだは、シャワーや入浴、汗をかく運動をひかえます。

  1. 貼る原因と考えられる物質をつけたテープを、背中や腕の外側に貼ります。そのまま48時間。
  2. 48時間後に、はがして見るはがしてから1時間半〜2時間ほどおいて、1回目の判定をします。
  3. 日をおいて、もう一度見る72時間後か96時間後、そして1週間後にも判定をします。遅れて出る反応を見るためです。

何度か通う必要があるので、受けられる日や費用は、受診する皮膚科で確かめてください。受診のときは、いつ・どこで・何で染めたか、症状がいつ・どこに出たかを伝えます。染めた製品の箱や、美容室の名前のメモがあると伝わりやすくなります。

家で行う白髪染めのパッチテスト(腕の内側に塗って48時間見るもの)は、これとは別のものです。日本ヘアカラー工業会は、一度でもかぶれたことがある方は、テストした場所に重い症状が出るおそれがあるので、家でのパッチテストも行わないよう呼びかけています。

05ジアミンアレルギーとわかったら、白髪はどうする?

まず、酸化染毛剤(白髪染め・おしゃれ染め)をやめます。消費者庁の報告書は、かゆみや痛みの原因が酸化染毛剤なら使用をやめるべきで、それでも染めたい場合は、医療機関で、使えるヘアカラーリング剤について医師に相談するのがよい、としています。

日本ヘアカラー工業会は、かぶれたことのある方に、ヘアマニキュアなどの染毛料や、酸化染料を使わない染毛剤を挙げています。ただし、選ぶときに気をつけたいことが3つあります。

  • 「ジアミンが入っていない」だけでは決められません。消費者庁の報告書には、パラフェニレンジアミンが原因でかぶれ、ほかの染料にも反応していた例があります。ジアミン以外の酸化染料も、アレルギーを起こしやすい成分です
  • 名前や「天然」の印象で選ばないこと。国民生活センターは、ヘナを使った製品の中に、酸化染料が入っていたものがあったと注意を呼びかけています
  • ブリーチ(脱色剤)は、酸化染料とは別のものですが、過硫酸塩という成分でアレルギーのかぶれが起きることがあります

日本ヘアカラー工業会によると、酸化染料にアレルギーのある方は、形の似た別の成分にも反応することがあります。局所麻酔に使われる成分の一部、美白に使われるハイドロキノン、衣類や革の染料などです。歯科や病院で麻酔を受けるときは、ヘアカラーでかぶれたことを伝えてください。

シャンプー台で、中村一成がお客様の頭をケアしている様子
染めない日にも、髪と頭皮のためにできることはあります

ヘアマニキュアなどの染毛料は、髪の表面に色をつけるので、色持ちは短く、極端に明るくはできません。染め方を変えるのは、あきらめることではなく、続け方を選び直すことです。

06美容室で伝えてほしいことと、LUJUの考え方

消費者庁の報告書は、美容師に対して、過去に異常を感じたことがあるか、その日の肌の状態はどうかを確かめ、酸化染毛剤が合わない方には使わないことを求めています。お客様から伝えていただけると、判断が確かになります。

  • 染めたあと、かゆみ・赤み・腫れが出たことがあるか(何年前でも)
  • 最近、染めるたびにかゆくなる、前よりかゆみが強い、と感じていないか
  • 皮膚科で言われたこと、使えないと言われた成分があるか
  • 今日の地肌に、傷・赤み・かゆみがあるか
マイクロスコープで拡大した地肌と毛穴
マイクロスコープで拡大した地肌。染める前に、その日の状態をいっしょに確認します

LUJUでは、カウンセリングのときに、マイクロスコープで頭皮を拡大した写真を見ながら、その日の地肌をいっしょに確認します。赤みや傷がある日は、無理に染めない提案もします。

LUJUの白髪染めは、根元を地肌から約0.1mm浮かせて塗る「ゼロテク」です。地肌に薬剤がつきにくいので、しみやすい方でも受けやすい塗り方です。ただ、これは刺激を減らすための技術で、アレルギーを防ぐものではありません。染めたあとにかゆみ・赤み・腫れが出たことがある方には、ゼロテクでも白髪染めはおすすめしていません。まず皮膚科で相談していただき、そのうえで髪のことをいっしょに考えます。

アレルギーの心配がなく、地肌へのやさしさを大切にしたい方は、白髪染めのコースのページで、ゼロテクの塗り方を紹介しています。

窓ぎわの席で、中村一成がお客様に説明している様子はじめての方におすすめ

このページで紹介した白髪染め

LUJUメインコース

  • 約2時間
  • 銀座駅 徒歩2分
  • 完全予約制・半個室

このコースでやること

  1. ゼロテク地肌につけない
  2. カット骨格に合わせて
  3. ララピール待ち時間に肌まで
初回
30%OFF
21,800円(税別)通常 31,000円(税別)
コースの流れと口コミを見るLINEで空き時間を見る

LINE予約は24時間受付・電話不要

07よくある質問

ジアミンアレルギーは、治りますか?

日本ヘアカラー工業会は、一度アレルギーの症状が出ると、その体質は一生続くと言われている、と説明しています。かぶれの症状そのものは皮膚科で治療できますが、治まったあとに同じ種類の白髪染めを使えば、また出る可能性が高いとされています。

ジアミンアレルギーの初期症状は、どんなものですか?

政府広報オンライン(取材協力 消費者庁)は、染めて6時間くらいでかゆみを感じ、そのあと赤みや腫れが出て、だんだんひどくなると説明しています。染めるたびにかゆい、前より強くなった、と感じたら、次に染める前に皮膚科で相談してください。

ジアミンアレルギーでも、美容院でなら染められますか?

美容院で染めても、自宅で染めても、酸化染料にふれることは同じです。消費者庁の調査でも、異常を感じた人の割合は、自宅と美容院でほとんど差がありませんでした。お店を変えれば大丈夫、とは言えません。

ノンジアミンの白髪染めなら、使えますか?

自分で決めないでください。ジアミン以外の酸化染料にも反応する方がいます。何が使えるかは、皮膚科で相談して決めるのが確かです。

シャンプー台で髪を洗っている様子

LUJU 銀座

白髪染めの日を、
肌まで整う日に。

地肌につけない白髪染めと、
待ち時間のララピール。
初回 21,800円(税別)・約2時間

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美容師 中村一成

この記事を書いた人

中村一成

銀座の美容室LUJU代表・美容師15年目

銀座の美容室LUJU(ルジュ)代表。美容師15年目で、これまで1万人以上の髪と顔に触れてきました。髪と肌を一緒に見る美容師として、地肌を守る白髪染めと、肌を育てるケアを続けています。Instagramのフォロワーは16.5万人。『美ST』2025年3月号に掲載。

Instagramを見る(@nakamura_luju_wellaging)

参考にした資料

  1. 消費者庁 消費者安全調査委員会「毛染めによる皮膚障害」報告書 概要(2015年10月23日)
    https://www.caa.go.jp/policies/council/csic/report/report_008/pdf/8_houkoku_gaiyou.pdf
  2. 日本ヘアカラー工業会「ヘアカラーによるアレルギー反応とは」
    https://www.jhcia.org/rash/3_what_is_allergies.html
  3. 日本ヘアカラー工業会「ヘアカラーによるアレルギー反応(かぶれ)を経験された方へ」
    https://www.jhcia.org/rash/5_experienced.html
  4. 日本ヘアカラー工業会「過硫酸塩配合製品によるアレルギー反応とは」
    https://www.jhcia.org/rash/4_persulfate.html
  5. 政府広報オンライン「ヘアカラーによる「かぶれ」に要注意!」(取材協力 消費者庁)
    https://www.gov-online.go.jp/article/201905/entry-8364.html
  6. 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A「かぶれ Q5・Q8(アレルギー性接触皮膚炎のしくみ、パッチテスト)」
    https://qa.dermatol.or.jp/qa4/q08.html
  7. 国民生活センター「酸化染料を含むヘナ製品によるアナフィラキシーが発生」(2026年5月20日)
    https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20260520_2.html