ジアミンアレルギーとは?白髪染めで出る症状と、その後の選び方
2026年10月11日 公開

ジアミンアレルギーとは、白髪染めやおしゃれ染めに入っている「酸化染料」にふれて起きる、アレルギーのかぶれのことです。酸化染料の代表がパラフェニレンジアミンという成分で、美容室ではまとめて「ジアミン」と呼んでいます。
一度このアレルギーになると、症状がいったん治まっても、同じ種類の白髪染めを使えばまた出ます。続けるほど重くなることもあります。この記事では、症状の出方、皮膚科での検査、そのあとの染め方の選び方を、消費者庁と日本ヘアカラー工業会の資料をもとに整理しました。
この記事の要点
- ジアミンは、白髪染め(酸化染毛剤)の色のもとになる酸化染料のこと。アレルギーのかぶれを起こしやすい成分です
- 何年も平気だった方にも、ある日出ることがあります。いったん治まっても、染めればまた出て、次第に重くなることがあります
- かゆみ・赤み・腫れが出たら、白髪染めをやめて皮膚科へ。次に何で染めるかは、医師に相談して決めます
01ジアミンとは?白髪染めのどこに入っているか
髪を染めるものは、大きく2つに分かれます。医薬部外品の「染毛剤」と、化粧品の「染毛料」です。美容室の白髪染めやおしゃれ染め、市販のヘアカラーの多くは、染毛剤の中の「酸化染毛剤」にあたります。
酸化染毛剤は、1剤と2剤を混ぜて使います。1剤に入っている酸化染料が、髪の内側で2剤の力を受けて発色し、色が定着します。消費者庁の報告書は、酸化染料の代表として、パラフェニレンジアミン、トルエン-2,5-ジアミン、メタアミノフェノール、パラアミノフェノールなどを挙げています。「ジアミン」は、このうち名前にジアミンとつく成分をさす呼び方です。
| 酸化染毛剤(白髪染め・おしゃれ染め) | 染毛料(ヘアマニキュアなど) | |
|---|---|---|
| 分類 | 医薬部外品 | 化粧品 |
| 染まり方 | 染料が髪の内側まで入って発色する | 染料が髪の表面につく |
| 色持ち | 色落ちが少なく、長く続く | 少しずつ落ちるので、短い |
| 明るさ | 明るい色にも暗い色にもできる | 極端に明るい色にはできない |
| アレルギーのかぶれ | 起こしやすい | 酸化染毛剤とくらべると少ない |
同じ報告書は、酸化染毛剤を「いちばん広く使われていて、いちばんアレルギーのかぶれになりやすい製品」と説明しています。色持ちがよく、色の幅も広い。その長所を支えている成分が、アレルギーの原因にもなる、という関係です。代わりになる成分は今のところ無く、製品の改良ですぐにリスクを下げるのはむずかしい、とも書かれています。
02ジアミンアレルギーの症状は?いつ、どこに出るか
消費者庁の報告書によると、毛染めで起きるのは主にかぶれ(皮膚炎)で、まれに全身に症状が出る反応が起きることもあります。日本ヘアカラー工業会は、ヘアカラーのアレルギーを、すぐに出るタイプと遅れて出るタイプに分けて説明しています。遅れて出るタイプは、染めたあとから症状が出始め、48時間後にかけてひどくなる傾向があります。
遅れて出るタイプ
- 出るとき
- 染めたあとから。48時間後にかけて強くなる
- 症状
- かゆみ、赤み、顔の腫れ、ブツブツ
すぐに出るタイプ
- 出るとき
- 染めている最中〜30分くらい後
- 症状
- 息苦しさ、めまい、強いかゆみや赤み、じんましん
出る場所は、頭皮だけではありません。消費者庁の報告書には、顔が赤く腫れた例、耳のまわりや首すじ、手の指に症状が出た例が載っています。症状が重くなると、薬剤がふれた場所をこえて広がることもあります。
「かゆいだけ」のうちに気づく
気をつけたいのは、最初は軽いことです。消費者庁の調査では、染めて異常を感じた人のうち、「しばらくすると治まったので何もしなかった」人が、美容室で染めた場合で62.7%、自宅で染めた場合で52.8%いました。医療機関を受診した人は、美容室で3.6%、自宅で9.7%です。
報告書には、40代から自宅で染めてきた方が、2年ほど前から染めるたびに痛みやかゆみを感じていたのに、市販の薬で治まるので染め続け、ある日、顔が赤く腫れて初めて受診した例が紹介されています。日本ヘアカラー工業会も、症状がかゆみだけでも、染めるたびに感じたり強く感じたりする場合は、アレルギーの可能性が高いとしています。
こんなときは、すぐに医療機関へ
- 息苦しい、めまいがする、気分が悪い
- じんましんが全身に広がっている
- 顔やまぶたが大きく腫れてきた
染めている最中や直後のこうした症状は、急を要することがあります。美容院では、診断や治療はできません。
03何年も平気だったのに、ある日出るのはなぜ?
日本皮膚科学会は、アレルギーのかぶれには2つの段階があると説明しています。原因の物質に体が反応する準備ができる段階と、そのあとにもう一度ふれて、炎症が起きる段階です。準備ができるまでは、ふれても症状は出ません。
だから、「今まで大丈夫だった」は、「これからも大丈夫」という意味にはなりません。消費者庁の報告書も、これまで異常を感じたことのない人でも、続けて染めるうちにアレルギーのかぶれになることがある、としています。同じ調査で「症状が出ない人は、ずっと出ないままだと思う」と答えた人は、約4割いました。
50代以上では、5割以上の方が1か月に1回以上染めています。報告書は、染める回数が増えて原因の物質にふれる機会が増えれば、アレルギーのかぶれのリスクは大きくなると考えられる、としています。白髪染めを長く続けていく年代ほど、知っておきたいことです。
そして、一度なると元には戻りにくいものです。日本ヘアカラー工業会は、一度アレルギーの症状が出ると、その体質は一生続くと言われている、と説明しています。「体調がよい日なら大丈夫」「お店や製品を変えれば大丈夫」とは言えません。
04ジアミンアレルギーの検査は、何科で受ける?
相談先は皮膚科です。原因を調べる検査として、パッチテストがあります。日本皮膚科学会の説明では、原因と考えられる物質をつけた専用のテープを、背中などに48時間貼ります。貼っているあいだは、シャワーや入浴、汗をかく運動をひかえます。
- 貼る原因と考えられる物質をつけたテープを、背中や腕の外側に貼ります。そのまま48時間。
- 48時間後に、はがして見るはがしてから1時間半〜2時間ほどおいて、1回目の判定をします。
- 日をおいて、もう一度見る72時間後か96時間後、そして1週間後にも判定をします。遅れて出る反応を見るためです。
何度か通う必要があるので、受けられる日や費用は、受診する皮膚科で確かめてください。受診のときは、いつ・どこで・何で染めたか、症状がいつ・どこに出たかを伝えます。染めた製品の箱や、美容室の名前のメモがあると伝わりやすくなります。
家で行う白髪染めのパッチテスト(腕の内側に塗って48時間見るもの)は、これとは別のものです。日本ヘアカラー工業会は、一度でもかぶれたことがある方は、テストした場所に重い症状が出るおそれがあるので、家でのパッチテストも行わないよう呼びかけています。
05ジアミンアレルギーとわかったら、白髪はどうする?
まず、酸化染毛剤(白髪染め・おしゃれ染め)をやめます。消費者庁の報告書は、かゆみや痛みの原因が酸化染毛剤なら使用をやめるべきで、それでも染めたい場合は、医療機関で、使えるヘアカラーリング剤について医師に相談するのがよい、としています。
日本ヘアカラー工業会は、かぶれたことのある方に、ヘアマニキュアなどの染毛料や、酸化染料を使わない染毛剤を挙げています。ただし、選ぶときに気をつけたいことが3つあります。
- 「ジアミンが入っていない」だけでは決められません。消費者庁の報告書には、パラフェニレンジアミンが原因でかぶれ、ほかの染料にも反応していた例があります。ジアミン以外の酸化染料も、アレルギーを起こしやすい成分です
- 名前や「天然」の印象で選ばないこと。国民生活センターは、ヘナを使った製品の中に、酸化染料が入っていたものがあったと注意を呼びかけています
- ブリーチ(脱色剤)は、酸化染料とは別のものですが、過硫酸塩という成分でアレルギーのかぶれが起きることがあります
日本ヘアカラー工業会によると、酸化染料にアレルギーのある方は、形の似た別の成分にも反応することがあります。局所麻酔に使われる成分の一部、美白に使われるハイドロキノン、衣類や革の染料などです。歯科や病院で麻酔を受けるときは、ヘアカラーでかぶれたことを伝えてください。

ヘアマニキュアなどの染毛料は、髪の表面に色をつけるので、色持ちは短く、極端に明るくはできません。染め方を変えるのは、あきらめることではなく、続け方を選び直すことです。
06美容室で伝えてほしいことと、LUJUの考え方
消費者庁の報告書は、美容師に対して、過去に異常を感じたことがあるか、その日の肌の状態はどうかを確かめ、酸化染毛剤が合わない方には使わないことを求めています。お客様から伝えていただけると、判断が確かになります。
- 染めたあと、かゆみ・赤み・腫れが出たことがあるか(何年前でも)
- 最近、染めるたびにかゆくなる、前よりかゆみが強い、と感じていないか
- 皮膚科で言われたこと、使えないと言われた成分があるか
- 今日の地肌に、傷・赤み・かゆみがあるか

LUJUでは、カウンセリングのときに、マイクロスコープで頭皮を拡大した写真を見ながら、その日の地肌をいっしょに確認します。赤みや傷がある日は、無理に染めない提案もします。
LUJUの白髪染めは、根元を地肌から約0.1mm浮かせて塗る「ゼロテク」です。地肌に薬剤がつきにくいので、しみやすい方でも受けやすい塗り方です。ただ、これは刺激を減らすための技術で、アレルギーを防ぐものではありません。染めたあとにかゆみ・赤み・腫れが出たことがある方には、ゼロテクでも白髪染めはおすすめしていません。まず皮膚科で相談していただき、そのうえで髪のことをいっしょに考えます。
アレルギーの心配がなく、地肌へのやさしさを大切にしたい方は、白髪染めのコースのページで、ゼロテクの塗り方を紹介しています。
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07よくある質問
ジアミンアレルギーは、治りますか?
日本ヘアカラー工業会は、一度アレルギーの症状が出ると、その体質は一生続くと言われている、と説明しています。かぶれの症状そのものは皮膚科で治療できますが、治まったあとに同じ種類の白髪染めを使えば、また出る可能性が高いとされています。
ジアミンアレルギーの初期症状は、どんなものですか?
政府広報オンライン(取材協力 消費者庁)は、染めて6時間くらいでかゆみを感じ、そのあと赤みや腫れが出て、だんだんひどくなると説明しています。染めるたびにかゆい、前より強くなった、と感じたら、次に染める前に皮膚科で相談してください。
ジアミンアレルギーでも、美容院でなら染められますか?
美容院で染めても、自宅で染めても、酸化染料にふれることは同じです。消費者庁の調査でも、異常を感じた人の割合は、自宅と美容院でほとんど差がありませんでした。お店を変えれば大丈夫、とは言えません。
ノンジアミンの白髪染めなら、使えますか?
自分で決めないでください。ジアミン以外の酸化染料にも反応する方がいます。何が使えるかは、皮膚科で相談して決めるのが確かです。

参考にした資料
- 消費者庁 消費者安全調査委員会「毛染めによる皮膚障害」報告書 概要(2015年10月23日)
https://www.caa.go.jp/policies/council/csic/report/report_008/pdf/8_houkoku_gaiyou.pdf - 日本ヘアカラー工業会「ヘアカラーによるアレルギー反応とは」
https://www.jhcia.org/rash/3_what_is_allergies.html - 日本ヘアカラー工業会「ヘアカラーによるアレルギー反応(かぶれ)を経験された方へ」
https://www.jhcia.org/rash/5_experienced.html - 日本ヘアカラー工業会「過硫酸塩配合製品によるアレルギー反応とは」
https://www.jhcia.org/rash/4_persulfate.html - 政府広報オンライン「ヘアカラーによる「かぶれ」に要注意!」(取材協力 消費者庁)
https://www.gov-online.go.jp/article/201905/entry-8364.html - 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A「かぶれ Q5・Q8(アレルギー性接触皮膚炎のしくみ、パッチテスト)」
https://qa.dermatol.or.jp/qa4/q08.html - 国民生活センター「酸化染料を含むヘナ製品によるアナフィラキシーが発生」(2026年5月20日)
https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20260520_2.html



