秋の抜け毛はいつまで続く?9〜11月に増える理由と、皮膚科に行く目安

美容師 中村一成
銀座の美容室LUJU代表・美容師15年目
2026年10月3日 公開
マイクロスコープで拡大した地肌と髪の根元
マイクロスコープで拡大した地肌。髪は1本ずつ、伸びる時期と休む時期をくり返しています

秋の抜け毛は、多くの場合、冬に向かって少しずつ落ち着いていきます。夏に「休む時期」に入った髪が、2〜3か月かけて抜けていくためと考えられているからです。

ただ、季節のせいだと思っていたら別の理由だった、ということもあります。この記事では、秋に増える理由、1日に何本までなら自然か、皮膚科に相談したほうがいい抜け方を、皮膚科学会の資料と研究をもとに整理しました。

この記事の要点

  1. 髪は「伸びる→休む→抜ける」をくり返していて、休む時期は2〜3か月。夏に休む毛が多く、秋に抜けやすくなります
  2. 1日に抜ける毛は、おおよそ100本程度までが自然な範囲とされています
  3. 円形に抜ける、頭皮が赤い・かゆい、分け目から頭頂にかけて薄くなってきた、冬を越えても多いときは皮膚科へ

01秋の抜け毛は、いつまで続く?

髪は1本ずつ、勝手に伸び続けているわけではありません。日本皮膚科学会によると、髪には「伸びる時期(成長期)」があり、大体2〜6年続きます。そのあと「休む時期(休止期)」に入り、休止期は2〜3か月。休み終えた毛は、下から次の髪が伸びてくるのに合わせて抜け落ちます。

この「休む毛」の割合に、季節の波があることがわかっています。スイスで6年間、823人の女性の毛を調べた研究では、休止期の毛の割合は夏に最も多く、春にも小さな山があり、冬の終わりに最も少なくなっていました。

時期髪の状態(研究から)感じやすいこと
夏休む時期の毛が最も多いまだ抜け毛は目立ちにくい
秋夏に休み始めた毛が、2〜3か月かけて抜けていくシャンプーや朝の枕で「多いかも」と感じやすい
冬の終わり休む時期の毛が最も少ない落ち着いてくることが多い
スイスの女性823人の毛を6年間調べた研究(Kunzら、2009年)と、休止期が2〜3か月という日本皮膚科学会の説明をもとに作成

つまり、9月から11月ごろに抜け毛が増えたと感じるのは、夏に休み始めた毛がまとめて抜けている時期だから、と考えられます。いつまでと日付で区切れるものではありませんが、冬に向かって落ち着いていくのが自然な流れです。

021日に何本までなら、自然な抜け毛?

頭の髪はおよそ10万本あり、そのほとんど(約85〜90%)は伸びている最中の毛です。日本皮膚科学会は、1日に抜ける毛の量は個人差や季節差、ヘアケアの仕方にもよるとしたうえで、おおよそ1日100本程度までとしています。

100本と聞くと多く感じますが、シャンプーのときにまとまって抜けることもよくあります。休み終えた毛は抜ける準備ができているので、指で洗うだけで落ちるからです。洗った日の排水口だけを見て、驚かなくて大丈夫です。

数えるなら、同じ場面で比べる

抜け毛の量は、洗った日・洗わない日、乾かす前後で大きく変わります。気になるときは、毎回同じ場面(たとえばシャンプー後の排水口や、朝の枕)で、何日か続けて見てください。前の週と比べて増え続けていないかを見るほうが、1回の本数より役に立ちます。

03季節の抜け毛と、皮膚科に相談したい抜け毛

秋の抜け毛は「全体からまんべんなく、少し多めに抜ける」のが特徴です。次のような抜け方は、季節のせいと決めつけず、皮膚科で相談してください。

季節の抜け毛らしいこと

抜け方
頭全体から、まんべんなく
頭皮
赤み・かゆみ・痛みがない
時期
秋に増え、冬に向かって落ち着く

皮膚科で相談したいこと

抜け方
円形に抜けている、眉やまつ毛も抜ける
頭皮
赤い・かゆい・フケが急に増えた
形
分け目から頭頂にかけて、全体に薄くなってきた
時期
冬を越えても多い/大きな病気・手術・妊娠・急なダイエットのあと

円形に抜けるのは円形脱毛症の可能性があり、日本皮膚科学会も医師の診察を勧めています。前髪は残り、その少し奥から頭頂にかけて薄くなるのは、女性型脱毛症に多い形です。また、大きな手術や重い感染症、妊娠、過激なダイエットのあとには、毛の生えかわりが乱れて抜け毛が増えること(休止期脱毛)や、甲状腺の病気などで髪が抜けることもあります。

こんなときは、まず皮膚科へ

  • 円形に抜けているところがある
  • 頭皮に赤み・かゆみ・痛みがある、フケが急に増えた
  • 分け目や頭頂が、前より目立つようになってきた
  • 冬を越えても抜け毛が減らない

抜け毛の原因を調べて治療するのは、皮膚科の仕事です。美容院では診断はできません。

04抜け毛が多い時期に、家でできること

季節の抜け毛そのものは、髪の自然なリズムです。そのうえで、日本皮膚科学会は、抜け毛を防ぐ生活の注意として、自分に合ったシャンプーで頭皮が乾燥しすぎたり脂っぽくなったりしない頻度で洗うこと、髪に負担のかかる髪型や極端に頻回のカラーリングを避けること、ビタミンやミネラルのそろった食事、無理をせず休むことを挙げています。

家で今日から変えやすいのは、洗い方です。

  1. 洗う前に、ブラシでとかすからまりをほどいておくと、洗うときに髪を引っぱらずにすみます。
  2. 熱すぎないお湯で、まず地肌を流すお湯だけで落ちる汚れも多いので、ここで地肌までしっかり濡らします。
  3. 指の腹で、地肌を動かすように洗う爪を立てたり、こすったりしないこと。髪より地肌を洗うつもりで。
  4. すすぎは、洗う時間より長めに生え際や耳のうしろは残りやすいところです。
  5. すぐに乾かす地肌から乾かし、濡れたまま寝ないようにします。
シャンプー台で、指の腹を使って髪と地肌を洗っている様子
洗うのは髪より地肌。すすぎは洗う時間より長めに

1日1分、地肌を動かす習慣

シャンプーのついでに、指の腹で頭皮を前後に動かしてみてください。動きにくい場所や、触ると違和感のある場所に気づけます。抜け毛を減らす治療ではありませんが、自分の頭皮の状態を毎日知っておくことは、日本皮膚科学会も「大切」としていることです。

美容師の中村一成が、指の腹でお客様の頭皮を動かしている様子
爪を立てず、指の腹で地肌を動かすように

05美容院で「抜け毛が気になる」と伝えてもいい

抜け毛が気になる時期は、カラーやカットの予約を迷う方もいます。でも、美容師にとっては、頭皮の様子を知っておけるほうが助かります。予約のときやカウンセリングで、ひと言伝えてください。

LUJUでは、マイクロスコープで頭皮を拡大した写真を見ながら、その日の地肌をいっしょに確認します。赤みや傷がある日は、無理に染めない提案もしています。気になる症状があるときは、先に皮膚科で相談してから来ていただくのが安心です。

06よくある質問

秋の抜け毛は、何月ごろまで続きますか?

人によって違うので、何月までとは言えません。研究では、休む時期の毛は冬の終わりに最も少なくなっていたので、冬に向かって落ち着いていくのが自然な流れです。冬を越えても多いときは、皮膚科で相談してください。

シャンプーのときにたくさん抜けます。洗いすぎでしょうか?

休み終えて抜ける準備ができていた毛が、洗うときにまとめて落ちていることが多いです。洗う回数を減らすより、爪を立てずに指の腹で洗い、よくすすぐことを意識してください。頭皮が乾燥しすぎたり脂っぽくなったりしない頻度が目安です。

白髪染めやカラーは、抜け毛の原因になりますか?

日本皮膚科学会は、極端に頻回のカラーリングはなるべく避けるよう勧めています。間隔をあけて染め、頭皮に赤みやかゆみが出るときは皮膚科で相談してください。地肌につけない塗り方については、白髪染めがしみるときの記事で説明しています。

抜け毛が気になるとき、何科に行けばいいですか?

まずは皮膚科です。抜け方や頭皮の状態を診てもらい、ほかの病気が関わっていないかも含めて相談できます。

シャンプー台で髪を洗っている様子

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美容師 中村一成

この記事を書いた人

中村一成

銀座の美容室LUJU代表・美容師15年目

銀座の美容室LUJU(ルジュ)代表。美容師15年目で、これまで1万人以上の髪と顔に触れてきました。髪と肌を一緒に見る美容師として、地肌を守る白髪染めと、肌を育てるケアを続けています。Instagramのフォロワーは16.5万人。『美ST』2025年3月号に掲載。

Instagramを見る(@nakamura_luju_wellaging)

参考にした資料

  1. 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A「脱毛症 Q1 毛が伸びる、または生えかわる仕組み」
    https://qa.dermatol.or.jp/qa11/q01.html
  2. 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A「脱毛症 Q8 女性型脱毛症と男性型脱毛症の違い」
    https://qa.dermatol.or.jp/qa11/q08.html
  3. 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A「脱毛症 Q17 他の病気と関連する脱毛」
    https://qa.dermatol.or.jp/qa11/q17.html
  4. 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A「脱毛症 Q18 抜け毛を防ぐ生活上の注意点」
    https://qa.dermatol.or.jp/qa11/q18.html
  5. Kunz M, Seifert B, Trüeb RM. Seasonality of hair shedding in healthy women complaining of hair loss. Dermatology. 2009
    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19407435/