ヘナの白髪染めを使い続けるとどうなる?色の仕上がりと確かめたい表示
2026年10月19日 公開

ヘナだけで染めた髪は、淡い赤から淡い褐色に仕上がります。これは日本ヘアカラー工業会の説明です。ヘナは「染毛料」という化粧品で、髪を明るくする働きはありません。だから使い続けても、黒髪が明るくなることはなく、白髪の部分だけがオレンジ〜赤茶に色づいていきます。
もうひとつ、知っておいてほしいことがあります。「ヘナなのに黒く染まる」製品には、ヘナ以外の染料や、アレルギーの原因になる酸化染料が入っていることがあります。2026年5月には、国民生活センターが、かつら用のヘナ製品を頭髪に使った事故について注意を呼びかけました。この記事では、ヘナを続けたときの色の仕上がり、向く人・向きにくい人、買う前や美容室で確かめたい表示を、銀座の美容師の立場でまとめました。
この記事の要点
- ヘナだけで染めると淡赤〜淡褐色。化粧品の染毛料なので、髪を明るくする力はない。続けても黒髪は明るくならず、白髪の部分が赤みのある色に色づく
- 「黒く染まるヘナ」には、酸化染料が入っていることがある。工業会は、ヘナ配合の製品でも毎回のパッチテストを義務づけている
- 確かめる表示は3つ。種類別名称が「染毛料」か「カラートリートメント」、全成分に「ヘンナ」、国内の製造販売元の名称と住所。「かつら用」「雑貨」は頭髪に使わない
01ヘナを使い続けると、色はどうなる?先に答え
日本ヘアカラー工業会は、ヘナについて「ミソハギ科の低木の葉を干して使う染毛料で、ヘナだけで染めると淡赤〜淡褐色に仕上がる」と説明しています。白髪は色素のない髪なので、ヘナの色がそのまま出て、オレンジから赤茶に色づきます。黒髪や茶色い髪は、もともとの色の上にヘナの色が重なるので、赤みが少し加わる程度です。
ここで大事なのは、ヘナには髪を明るくする働きがないことです。工業会の分類では、髪を明るくするのは、医薬部外品の酸化染毛剤(いわゆるヘアカラー)に入っている過酸化水素の働きです。化粧品の染毛料であるヘナには、その働きがありません。だから、ヘナを何回続けても、黒髪は明るくなりません。
回数を重ねたときに、白髪の部分の色がどう変わっていくかは、製品の配合(ヘナだけか、ほかの植物染料が入っているか)と、髪の状態で違います。メーカーの説明書に書かれた色の見本と、実際に染めた髪の色を、美容師といっしょに見て判断するのが確実です。
| 染め方 | 仕上がりの色 | 髪を明るくできるか |
|---|---|---|
| ヘナだけ | 白髪は淡赤〜淡褐色(オレンジ〜赤茶)。黒髪は赤みが少し加わる程度 | できない |
| ヘナ+ほかの染料(「ブラックヘナ」「ケミカルヘナ」などと呼ばれるもの) | 黒に近い暗い色。酸化染料が入っていることがある | できない |
| 酸化染毛剤(美容室の白髪染め・市販のヘアカラー) | 明るさも色みも選べる。色持ちは2〜3か月 | できる |
02ヘナとは。化粧品の「染毛料」で、パッチテストは毎回
ヘナは、植物の葉を原料にした染毛料です。日本では、髪を染める製品は大きく2つに分かれます。酸化染料などを含み、医薬部外品にあたる「染毛剤」と、顔料や染料などを含み、化粧品にあたる「染毛料」です。ヘナを配合した頭髪用の製品は、染毛料に分類されます。
「化粧品だから、アレルギーの心配はない」と思われがちですが、そうではありません。工業会の分類では、ヘナおよびヘナ由来物を含む製品は、永久染毛剤に準じた扱いとされていて、毎回のパッチテストが必要です。工業会のQ&Aにも、ヘナ配合製品は使用説明書にしたがって毎回必ず皮膚アレルギー試験(パッチテスト)をすることが義務づけられている、と書かれています。
工業会のヘナのページには、過去にヘナでかぶれたことがある人や、パッチテストで異常を感じた人は使わないこと、酸化染料にアレルギーがある人は、テストの前に医師へ相談することも書かれています。「植物だから安心」ではなく、「植物でも、肌に合うかは人それぞれ」が正しい理解です。パッチテストのやり方は、パッチテストのやり方の記事にまとめています。

03「黒く染まるヘナ」に気をつけたい理由。2026年の注意喚起
工業会は、黒に近い暗い色のヘナ製品には、ほかの染料や酸化染料が配合されている場合があり、皮膚トラブルを起こすことがあると説明しています。「ケミカルヘナ」「ブラックヘナ」と呼ばれるものの中には、天然のヘナとは違う成分を含むものがある、ということです。
2026年5月20日、国民生活センターは、酸化染料を含むヘナ製品によるアナフィラキシー(急に起こる強いアレルギー反応)の事故について公表しました。紹介されている事例のひとつは、美容所で、頭髪用ではない「かつら用」のヘナ製品で毛染めを受け、酸化染料が原因とみられるアナフィラキシーショックで救急搬送されたというものです。センターがテストした、かつら用のヘナ3銘柄には、すべて酸化染料が含まれていました。用途の表示がない銘柄、検出された酸化染料の表示がない銘柄もあり、3銘柄すべての販売サイトに、頭髪に使えると受け取れる広告があったとしています。
工業会のヘナのページも同じことを書いています。かつら用などの雑貨のヘナは、短時間で黒く染めるために、アレルギーの原因となる酸化染料(パラフェニレンジアミンなど)を含むケースが確認されている。人に使うための承認・届出はなく、激しいかゆみ、顔の腫れ、呼吸困難など、生命に関わる健康被害のおそれがある、と。
確かめたい3つの表示
工業会は、頭髪に使える化粧品のヘナを、次の3つの表示で見分けるよう勧めています。
- 種類別名称に「染毛料」または「カラートリートメント」と書かれていること
- 全成分表示に「ヘンナ」などの成分名があること
- 国内の製造販売元の名称と住所があること
仙台市の案内も同じで、「医薬部外品」か「化粧品」の表示があるものを使い、「かつら用」「雑貨」の表示があるものは人に使わないこと。「白髪染めに最適」「髪にやさしい」といった宣伝があっても、医薬部外品や化粧品の表示がなければ、人の髪には使えないとしています。通販や海外の製品は表示が分かりにくいことがあり、工業会はとくに注意を呼びかけています。
美容室でヘナを受けるときも、聞いてよいこと
- 使う製品が、頭髪用の化粧品(染毛料)かどうか
- パッチテストを、毎回しているかどうか
- 過去にヘアカラーやヘナでかぶれたことがあるなら、そのことを先に伝える
国民生活センターは、美容所や理容所で毛染めを受ける前に、使う製品が頭髪用かどうかを施術者に確認するよう勧めています。
04ヘナが向く人、向きにくい人
ここまでの事実を、仕上がりの希望に当てはめると、向く・向きにくいが見えてきます。「なりたい色」と「染め方」が合っているかの話です。
ヘナが向く方
- 色の希望
- 白髪がオレンジ〜赤茶に色づく、暖かみのある仕上がりでよい
- 明るさ
- 今の髪の明るさを変えなくてよい
- 前提
- 毎回パッチテストをして、表示を確かめた製品を使える
ヘナが向きにくい方
- 色の希望
- 白髪をしっかり黒や茶に染めたい。アッシュ系・ベージュ系など赤みのない色にしたい
- 明るさ
- 全体を明るくしたい(ヘナでは明るくならない)
- 肌
- 過去にヘナやヘアカラーでかぶれたことがある(どの染め方でも、まず皮膚科へ)
「ヘアカラーでかぶれたから、ヘナに替えた」という方は少なくありません。ただ、かぶれの原因が酸化染料(ジアミン)だった場合、酸化染料入りのヘナ製品を使うと、同じことが起こります。工業会は、一度でもパッチテストで皮膚に異常があった場合は、それ以後すべてのヘアカラー(酸化染毛剤)を使わないよう案内しています。かぶれの経験がある方は、ヘナかどうかより先に、ジアミンアレルギーと白髪染めの記事を読んで、皮膚科で原因を確かめてください。

05ヘナから美容室のカラーに替えるとき。LUJUの染め方
ヘナで染めていた髪を、美容室の白髪染めに替えるときは、カウンセリングで「ヘナで染めていた」と先に伝えてください。工業会は、ヘアマニキュア(染毛料)で染めた髪にヘアカラーを使うと、ムラに染まることがあるとしています。ヘナも染毛料ですから、髪に残っている色を見て、薬剤の選び方と塗り方を決める必要があります。残っている色の出方は人によって違うので、その日の髪を見て判断します。
LUJUの白髪染めは、根元を地肌から約0.1mm浮かせて塗る「ゼロテク」です。ハケを地肌に当てないので、地肌に薬剤がつきにくく、しみやすい方でも受けやすい塗り方です。根元のぎりぎりまで塗るので、根元から染まります。施術中にしみたら、その場で止めて流し、地肌を見てから続けるか決めます。

ただし、染めたあとにかゆみ・赤み・腫れが出たことがある方(アレルギーの可能性)は、ゼロテクでも染めません。まず皮膚科で原因を確かめてください。カウンセリングでは、マイクロスコープで頭皮を拡大した写真を見ながら、その日の地肌をいっしょに確認します。赤みや傷がある日は、無理に染めない提案もします。
2026年10月から、メインコースの染め方は3つから選べます。地肌につけずに塗る白髪染め、ブリーチしない白髪ぼかし、ブリーチしない透明感カラー。値段は同じで、カウンセリングで決めます。ヘナの赤みが気になっていた方には、赤みをおさえた色の相談もできます。
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06よくある質問
ヘナを使い続けると、髪が黒くなっていきますか?
ヘナだけなら、なりません。工業会の説明では、ヘナだけで染めた仕上がりは淡赤〜淡褐色です。「使い続けたら黒くなった」という場合は、ヘナ以外の染料や酸化染料が配合された製品の可能性があります。全成分表示を確かめてください。
ヘナは髪が傷まないと聞きました。本当ですか?
ヘナには、酸化染毛剤に入っている髪を明るくする成分(過酸化水素)が入っていないので、脱色による変化は起こりません。ただし、傷まないかどうかはその人の髪の状態と使い方によります。また、傷まないことと、肌に合うことは別の話です。工業会は、ヘナ配合製品でも毎回のパッチテストを義務づけています。
ヘナで染めたあと、美容室で明るくできますか?
残っている色と髪の状態によって、できることが変わります。工業会は、染毛料で染めた髪にヘアカラーを使うとムラになることがあるとしています。まずカウンセリングで、ヘナで染めていたことと、いつまで使っていたかを伝えてください。その日の髪を見て、薬剤と塗り方を決めます。
「かつら用」のヘナを、気づかずに使っていました。どうすればいいですか?
今の時点で、かゆみ・赤み・腫れなどの症状がなければ、使うのをやめて、次からは頭髪用の化粧品(染毛料)の表示がある製品を選んでください。症状が出たことがある場合や、顔の腫れ・息苦しさなど強い症状が出た場合は、すぐに医療機関へ。国民生活センターは、酸化染料などにアレルギーの経験がある人は、自分でパッチテストをする前に医師に相談するよう勧めています。
ヘナの美容室と、普通の美容室の白髪染めは、何が違いますか?
使う製品の種類が違います。ヘナは化粧品の染毛料、一般の白髪染めは医薬部外品の酸化染毛剤です。色の出方(ヘナは赤みのある色、酸化染毛剤は明るさも色も選べる)、色持ち(酸化染毛剤は2〜3か月)が違います。どちらも毎回のパッチテストが必要な点は同じです。

参考にした資料
- 日本ヘアカラー工業会「ご自宅で染められる方のQ&A」(ヘナ・パッチテスト・色落ち)
https://www.jhcia.org/general_faq.html - 日本ヘアカラー工業会「ヘナ製品について」
https://www.jhcia.org/henna/ - 日本ヘアカラー工業会「ヘアカラーリング製品の分類」
https://www.jhcia.org/information/1_classification.html - 国民生活センター「酸化染料を含むヘナ製品によるアナフィラキシーの発生」(2026年5月20日公表・7月7日更新)
https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20260520_2.html - 仙台市「酸化染料を含むヘナ製品の使用にご注意を」
https://www.city.sendai.jp/imuyakumu/kurashi/kenkotofukushi/kenkoiryo/yakujiese/tekise/hena.html - LUJU 白髪染めのコースページ
https://luju-salon.com/shiragazome/



