頭皮が赤い原因は?かゆい・かゆくない赤みの違いと皮膚科の目安
2026年10月14日 公開

頭皮が赤いとき、いちばん多いのは、頭皮に残った皮脂が変化して起こる、ごく軽い炎症です。花王の頭皮の調査でも、赤み(紅斑)は最も多く見られる状態で、かゆみなどの自覚がなく、すぐに回復するものが多いとされています。
一方で、フケをともなう赤み、白髪染めやシャンプーを変えたあとの赤み、痛みや腫れのある赤みは、皮膚科で診てもらいたい状態です。この記事では、赤みの出方ごとに考えられることと、家での洗い方、受診の目安を整理しました。
この記事の要点
- 頭皮の赤みで多いのは、皮脂が変化してできた脂肪酸による軽い炎症。かゆみがないことも多く、冬に増えます
- 赤みにフケが重なる、生え際や眉・鼻のわきにも出ているときは、脂漏性皮膚炎の可能性があります。皮膚科へ
- 白髪染めのあとの赤み・かゆみ・腫れは、かぶれの可能性。次に染める前に、必ず皮膚科で相談を
01頭皮が赤いとき、まず見ること
頭皮の赤みは、自分では見えないので、美容室で言われて、あるいは家族に指摘されて知ることがあります。かゆくも痛くもないのに「赤いですね」と言われると、かえって心配になります。
まず落ち着いて、次の4つを確かめてください。皮膚科を受診するときにも、そのまま伝えられます。
- どこが赤いか:頭全体か、分け目・生え際・耳のうしろなど一部か
- 赤み以外に何があるか:かゆみ、痛み、フケ、ぶつぶつ、じゅくじゅく、抜け毛
- いつからか:数日前から、何週間も前から、毎年この季節に
- 直前に何をしたか:白髪染め・パーマ、シャンプーや整髪料を変えた、長く外にいた、洗えない日が続いた
| 赤みの出方 | 考えられること | まずすること |
|---|---|---|
| かゆみも痛みもなく、うっすら赤い | 皮脂の変化による軽い炎症 | 洗い方とすすぎを見直す |
| 赤みに、フケが重なっている | 脂漏性皮膚炎など | 皮膚科へ |
| 白髪染めやシャンプーを変えたあとに出た | かぶれ(接触皮膚炎) | 使うのをやめて皮膚科へ |
| 分け目やつむじだけ赤く、ひりひりする | 日焼け | 冷やして様子を見る。水ぶくれは皮膚科へ |
| 痛い・腫れている・じゅくじゅくしている | 強い炎症や、ほかの皮膚の病気 | 早めに皮膚科へ |
表はあくまで目安です。見た目だけで原因を見分けるのは、医師でも診察が必要なことです。美容師にも診断はできません。迷ったら皮膚科に相談してください。
02頭皮が赤くなる、主な原因
1. 頭皮に残った皮脂が変化している
花王の説明によると、頭皮の軽い赤みは、皮脂が常在菌(皮膚にもともといる菌)や酸化によって分解され、できた脂肪酸が頭皮を刺激することが一因です。出たばかりの皮脂は肌を守るものですが、時間がたって変化すると、刺激のもとになります。フケや赤みのある方は、頭皮の脂肪酸の割合が高いことも確かめられています。
汗も関係します。汗をそのままにすると菌が増えやすくなり、赤みやかゆみのもとになる脂肪酸ができやすくなります。
2. 冬は、皮脂が頭皮に残りやすい
意外に思われますが、花王によると、頭皮に残る皮脂は夏より冬のほうが多く、赤みやフケも冬に多く見られます。夏の皮脂はさらさらして汗と混ざり、髪へ移りやすい。冬の皮脂は固まりやすく、髪へ移りにくいので、頭皮に残ります。そこへ空気の乾燥が重なります。秋から冬にかけて「頭皮が赤い」と言われたら、季節の影響も考えられます。
髪が細い方、量が少なめの方も、皮脂が移っていく髪の表面が小さいので、同じ量の皮脂でも頭皮に残りやすいとされています。
3. 脂漏性皮膚炎
赤みにフケが重なるときに考えられるのが、脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)です。第一三共ヘルスケアの解説では、頭皮・生え際・顔など皮脂の多い場所が赤くなり、脂っぽく湿ったフケや、乾いたうろこ状のフケが出ます。眉、鼻のわき、こめかみ、耳のうしろに出ることもあります。皮膚の常在菌の一種(マラセチア)が関わると考えられていて、人にうつるものではありません。
大人の脂漏性皮膚炎は、よくなったり悪くなったりをくり返しやすく、自然には治りにくいとされています。乾燥やフケ症だと思い込んで受診しない方が多いとされていますが、赤みとフケが続くときは、一度皮膚科で診てもらってください。
4. かぶれ(白髪染め・シャンプー・整髪料)
肌についたものが原因で起こる炎症が、かぶれ(接触皮膚炎)です。日本ヘアカラー工業会は、かぶれを2つに分けて説明しています。
刺激によるかぶれ
- 起こり方
- 肌が敏感なとき、バリアが弱っているときに起こる
- 症状
- 赤み、痛みなど
- くり返し
- 同じものでも、肌の状態によって出たり出なかったり
アレルギーによるかぶれ
- 起こり方
- 体を守るしくみが、ある物質に強く反応して起こる
- 症状
- まずかゆみ。そのあとに赤み・腫れ・ぶつぶつ
- くり返し
- 一度なると、その物質に触れるたびに出る
どちらなのかは、皮膚科医に判断してもらうものです。白髪染めのあとに赤み・かゆみ・腫れが出たことがある方は、次に染める前に必ず皮膚科で相談してください。くわしくはカラー後に頭皮がかゆいときの記事にまとめています。
5. 日焼け
分け目やつむじは、顔よりも太陽に近く、日焼け止めも塗りにくい場所です。日本皮膚科学会によると、強い紫外線を浴びると、翌日には肌が痛みをともなって赤くなります(サンバーン)。長く外にいた日のあとに分け目がひりひりして赤いなら、日焼けによる赤みと考えられます。
03かゆくない赤みは、放っておいていい?
かゆみがないと、つい「大丈夫」と思いがちです。たしかに、皮脂の変化による軽い赤みは、自覚がないまま、洗って清潔にしているうちにおさまることが多いものです。
ただ、「かゆくない=心配ない」とは言い切れません。脂漏性皮膚炎は、かゆみがほとんど無いか、あっても軽いとされています。かゆみの有無ではなく、次の2つで考えてください。
- 続いているか:洗い方を見直して1〜2週間たっても赤い、毎回美容室で言われる
- 赤み以外があるか:フケ、ぶつぶつ、じゅくじゅく、痛み、抜け毛
どちらかに当てはまるなら、かゆくなくても皮膚科へ。どちらにも当てはまらない、うっすらした赤みなら、まず次の章の洗い方を試してください。
04家でできること:洗い方の見直し
花王は、頭皮のトラブルを防ぐ基本として、皮脂や汗を頭皮に長く残さないことを挙げています。洗髪の回数が少ないと、何日ぶんもの皮脂がたまり、それを分解する菌も増えやすくなります。乾燥しやすい肌の方でも、きちんと洗うことで赤み・かゆみ・フケを防げることが確かめられているそうです。
大事なのは、強く洗うことではなく、洗い残さないこと。花王の洗い方の説明から、要点をまとめます。
- 洗う前に、くしやブラシでとかすもつれをほどき、髪と頭皮をお湯で十分に濡らします。濡れていると泡立ちがよく、こすれによる傷みも防ぎやすくなります。
- シャンプーは、洗い残しやすい場所からつける耳の上・後頭部・頭頂部は、洗い残しやすいところ。手のひらで軽く広げてから、頭皮の近くにつけます。
- 指の腹を、小さく動かして洗う爪を立てず、指の腹で頭皮に触れて小きざみに動かします。
- ぬるつきが無くなるまで、すすぐ耳のうしろから後頭部の中央は、すすぎ残しやすい場所です。最後に指で触れて確かめます。
- 根元から乾かすタオルで根元の水気を取り、ドライヤーで根元から乾かします。後頭部と耳の上は、乾き残しやすいところです。

赤いときに、やめておくこと
- 爪を立てて洗う、ブラシで強くこする
- かゆくないのに、気になって触る・かく
- 汗をかいたまま、長い時間そのままにする
- 赤みがあるのに、自分で白髪染めをする
洗い方を変えても赤みが引かないときは、洗い方の問題ではない可能性があります。シャンプーを次々に変えるより、皮膚科で原因を確かめるほうが早道です。
05皮膚科に行く目安
こんな赤みは、皮膚科へ
- 赤みにフケが重なっている。生え際・眉・鼻のわき・耳のうしろにも出ている
- 白髪染め・パーマのあと、またはシャンプーや整髪料を変えたあとに出た
- 痛い、腫れている、じゅくじゅくしている、ぶつぶつがある
- 赤いところの髪が抜ける、円形に抜けている
- 洗い方を見直しても、1〜2週間よくならない
受診するときは、「いつから」「どこが」「直前に使ったもの(白髪染め・シャンプー・整髪料)」をメモして持っていくと、話が早く進みます。
顔が腫れる、息苦しい、じんましんが出るなど、頭皮以外にも症状が出たときは、すぐに医療機関を受診してください。
06頭皮が赤いとき、美容院で伝えてほしいこと
「赤いと言われたことがある」「今日は少しひりひりする」。このひと言があるだけで、美容師は薬の選び方も、塗り方も、その日に染めるかどうかも変えられます。遠慮せず、予約のときかカウンセリングで伝えてください。
- これまでに、染めたあとでかゆみ・赤み・腫れが出たことがあるか
- いま、かゆみ・痛み・フケがあるか
- 皮膚科にかかっているか、塗り薬を使っているか
- 最近、シャンプーや整髪料を変えたか

LUJUでは、カウンセリングのときにマイクロスコープで頭皮を拡大した写真を見ながら、その日の地肌をいっしょに確認します。赤みや傷がある日は、無理に染めない提案もしています。染めたあとにかゆみ・赤み・腫れが出たことがある方は、アレルギーの可能性があるので、LUJUでは染めません。まず皮膚科で相談していただいています。
染める場合は、根元を地肌から約0.1mm浮かせて、ハケを地肌に当てずに塗ります(ゼロテク)。地肌に薬剤がつきにくい塗り方です。施術中にしみたら、その場で止めて流し、地肌を見てから続けるかを決めます。
07よくある質問
頭皮が赤いのに、かゆくも痛くもありません。病院に行くべきですか?
うっすら赤いだけで、ほかに症状がなければ、まず洗い方とすすぎを見直してください。1〜2週間たっても赤い、フケが重なっている、という場合は、かゆくなくても皮膚科で診てもらうのが安心です。
頭皮が赤いと、抜け毛が増えますか?
軽い赤みがあるだけで抜け毛が増える、とは言えません。ただ、赤みのある場所の髪が抜ける、円形に抜けている、というときは別の原因が考えられるので、皮膚科で相談してください。
頭皮が赤いとき、白髪染めはしてもいいですか?
赤み・傷・かゆみがあるときは、染めるのを見送るのが基本です。日本ヘアカラー工業会も、頭皮に傷やはれもの、皮膚の病気があるときは使わないよう注意しています。美容室で染める場合も、先に頭皮の状態を伝えてください。
シャンプーは、毎日しないほうが頭皮にいいのでしょうか?
花王は、洗髪の回数が少ないと皮脂がたまり、それを分解する菌が増えやすくなるとして、毎日の洗髪が頭皮トラブルの予防につながると説明しています。回数を減らすより、こすらず、洗い残さず、よくすすぐことを意識してください。
何科に行けばいいですか?
皮膚科です。頭皮も皮膚の一部なので、赤み・フケ・かゆみ・抜け毛はまとめて相談できます。

参考にした資料
- 花王 ヘアケアサイト「頭皮の赤み、かゆみ、フケ、かさつき」「頭皮の皮脂の挙動とトラブル」
https://www.kao.com/jp/haircare/scalp/5-2/ - 花王 ヘアケアサイト「頭皮のトラブルを防ぐには」
https://www.kao.com/jp/haircare/scalp/5-4/ - 第一三共ヘルスケア ひふ研「脂漏性皮膚炎」
https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/site_hifuken/symptom/shirouseihifuen/ - 日本ヘアカラー工業会「「アレルギー性のかぶれ」と「刺激性のかぶれ」の違い」
https://www.jhcia.org/rash/2_different.html - 日本ヘアカラー工業会「酸化染毛剤の使用上の注意事項」
https://www.jhcia.org/haircolor-abc/caution.html - 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A「日焼け Q4 日焼けはどうして起こるのですか?」
https://qa.dermatol.or.jp/qa2/q04.html



