頭皮がかゆい原因は?乾燥・かぶれ・白髪染め、皮膚科に行く目安
2026年10月5日 公開

頭皮がかゆくなる原因は、ひとつではありません。肌の乾燥、シャンプーや整髪料によるかぶれ、白髪染めのアレルギー、脂漏性皮膚炎などの皮膚の病気。見た目に何もないのにかゆい場合は、体の病気や飲んでいる薬が関わっていることもあります。
見た目だけで原因を見分けるのはむずかしく、日本皮膚科学会のガイドラインも、検査で見分ける必要がある病気を挙げています。この記事では、主な原因と見るポイント、家でできる洗い方、皮膚科に行く目安と受診のときに伝えることを、日本皮膚科学会や日本ヘアカラー工業会の資料をもとにまとめました。
この記事の要点
- 原因は、乾燥・かぶれ(シャンプー・整髪料・白髪染め)・皮膚の病気・体の病気や薬など。見た目だけでは見分けにくい
- シャンプーのかぶれは、頭皮より首や胸元、顔のまわりに出ることもあります
- 白髪染めのあとにかゆみ・赤み・腫れが出たら、すぐ受診。以後ヘアカラーは使いません
01頭皮がかゆいとき、まず見てほしいこと
原因を探す手がかりは、「いつから」「どこに」「どんな見た目か」です。日本皮膚科学会によると、かぶれの診察では、医師がいつから・どこに出たか、ふだん使っている物などを詳しく聞きます。原因を見つけて取り除くことが、いちばん大切だからです。
| 見た目・場所 | 考えられることの例 |
|---|---|
| 赤みも粉もなく、かゆいだけ | 乾燥。体の病気や飲んでいる薬が関わることも |
| かゆみと、赤み・ぶつぶつ・小さな水ぶくれ | かぶれ(シャンプー・整髪料・毛染めなど) |
| 首・胸元・額・耳・まぶたにも出ている | 洗い流すヘアケア製品のかぶれ |
| 薄い赤みと細かい粉が続く。眉や小鼻のわきにも | 脂漏性皮膚炎など |
| 境目のはっきりした盛り上がった赤みに、銀白色の粉 | 乾癬など |
| 白髪染めの数時間後から、2日後にかけて | ヘアカラーのアレルギー |
日本皮膚科学会のガイドラインは、頭のカビ(頭部白癬)と、脂漏性皮膚炎・乾癬などは見分ける必要があり、少しでも疑わしければ検査をするべきだとしています。表に当てはまっても、自分で決めつけないでください。
02頭皮がかゆくなる、主な原因
乾燥
日本皮膚科学会のガイドラインでは、皮膚に何もできていないのにかゆい「皮膚そう痒症」で最も多いのは、皮膚の乾燥によるものです。乾燥の原因には、年齢などの体の変化、冬の外気や室内の空調による低い湿度、お風呂の入りすぎ、脂を落としすぎる洗浄料やこすり洗いが挙げられています。皮膚の表面の脂の量は、男性より女性のほうが少なく、年齢とともに減ることも知られています。
ただ、何もないのにかゆい場合は、腎臓や肝臓の病気、糖尿病、ホルモンの異常、飲んでいる薬などが原因のこともあります。保湿をしてもよくならないかゆみは、皮膚科で相談してください。
シャンプー・整髪料などのかぶれ
頭皮のかぶれの主な原因として、日本皮膚科学会のガイドラインは、毛染め、シャンプー・リンス、育毛剤、ヘアピンを挙げています。かぶれには、刺激で起こるもの(誰にでも起こりうる)と、アレルギーで起こるもの(その物質にアレルギーを持つ人だけ)があります。シャンプーやリンスのすすぎ残しや使いすぎでも、刺激によるかぶれが起こることがあります。
気づきにくいのは、出る場所です。シャンプーやリンスのかぶれは、頭皮よりむしろ首や胸元に強く出ることがあり、頭皮には出ずに、顔の両わき・額・まぶた・耳・首に出る形もあります。
皮膚の病気
脂漏性皮膚炎は、頭皮・眉・眉間・額・小鼻のわき・耳のまわりなど、皮脂の多い場所に赤みと細かい粉が出る病気です。大人では、薄い赤みと粉が長く続く形が多く、かゆみはふつう軽いとされています。乾癬は、境目のはっきりした盛り上がった赤みに銀白色の粉がつく病気で、頭は出やすい場所のひとつです。乾癬はうつりません。
どの病気かを決めるのは、皮膚科の医師です。
03白髪染めのあとのかゆみは、別に考える
政府広報オンライン(取材協力 消費者庁)によると、ヘアカラーのアレルギーでは、染めて6時間くらいでかゆみを感じ、そのあと赤みや腫れが出て、だんだんひどくなります。出る場所は、頭皮・生え際・まぶた・額・耳の後ろ・首すじなど、薬剤やすすぎの液がついたところです。
日本ヘアカラー工業会は、かゆみだけでも、染めるたびに感じたり強く感じたりする場合は、アレルギーの可能性が高いので、以後ヘアカラーは使わないよう呼びかけています。その場合は、パッチテストも行いません。
消費者庁の2015年の調査では、50代以上の5割以上が1か月に1回以上染めていました。一方で、染めて異常を感じた人のうち「しばらくして治まったので何もしなかった」人は、美容室で62.7%、自宅で52.8%。かゆみが数日で治まるので何年も染め続け、ひどくなってから受診した例も報告されています。
04家でできること:洗い方・すすぎ・お湯の温度
日本皮膚科学会のガイドラインには、肌の洗い方やかゆいときの過ごし方として、次のことが挙げられています(頭皮だけに向けたものではありません)。
- お湯は38〜40℃42℃以上のお湯は、皮脂や肌のうるおい成分が流れ出て、かゆみも起こるため勧められていません。
- 洗浄力の強いものは避ける脂を落としすぎないものを選びます。乾燥が強いときは、洗浄料を使う量を最小限にします。
- 泡で、こすらずによく泡立てた泡で、やさしく洗います。強くこすると、乾燥が進みます。
- すすぎ残しをしないシャンプーやリンスが残らないよう、十分にすすぎます。
- 部屋の湿度と、爪冬は暖房で湿度が下がるので、加湿も考えます。爪は短く切り、なるべくかかないようにします。

洗う回数は、頭皮が乾燥しすぎたり、油っぽくなったりしない頻度で。日本皮膚科学会は、自分に合ったシャンプーを使い、そうした頻度で洗うことを勧めています。
05皮膚科に行く目安と、伝えること
こんなときは、皮膚科へ
- 白髪染めのあとに、かゆみ・赤み・腫れが出た(すぐに)
- 赤み・ぶつぶつ・じゅくじゅくがある
- 首や顔、耳のまわりにも広がってきた
- 洗い方を変えたり保湿をしたりしても、かゆみが続く
- 見た目に何もないのに、かゆみが続く
- 抜け毛が増えた
息苦しさ・じんましん・めまいなど、全身の症状があるときは、すぐに医療機関を受診してください。
受診するときは、いつから・どこがかゆいか、使っているシャンプー・リンス・整髪料・育毛剤、白髪染めをしているなら、いつ・どこで・何で染めたかをメモしていくと伝わりやすくなります。製品の名前がわかる写真を撮っておくのもひとつの方法です。
06美容室で、できること
美容室では、診断や治療はできません。そのうえで、お客様にお願いしたいことがあります。日本ヘアカラー工業会も、次のことを呼びかけています。
- 予約やカウンセリングのときに、頭皮のかゆみや、これまでにかぶれたことがあるかを伝える
- 施術中に、しみる・チクチクするなどを感じたら、すぐに伝える
- 帰ったあとに変化があったら、美容室に連絡する

LUJUでは、マイクロスコープで頭皮を拡大した写真を見ながら、その日の地肌をいっしょに確認しています。赤みや傷がある日は、無理に染めない提案もします。施術中にしみたら、その場で止めて流し、地肌を見てから続けるかを決めます。
染めたあとにかゆみ・赤み・腫れが出たことがある方には、白髪染めはおすすめしていません。地肌につけずに塗る「ゼロテク」でも、アレルギーは防げないからです。まず皮膚科で相談していただき、そのうえで髪のことをいっしょに考えます。
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07よくある質問
頭皮がかゆいのに、フケも赤みもありません。何が考えられますか?
日本皮膚科学会によると、皮膚に何もできていないのにかゆい「皮膚そう痒症」は、乾燥で起こることが多い一方、腎臓や肝臓の病気、糖尿病、ホルモンの異常、飲んでいる薬などが原因のこともあります。続くときは皮膚科で相談してください。
シャンプーを変えれば、かゆみはおさまりますか?
かぶれには、刺激によるものとアレルギーによるものがあり、どちらかの判断は皮膚科の医師がします。シャンプーのかぶれは、首や胸元、顔のまわりに出ることもあります。使っている製品をメモして受診すると、原因を探しやすくなります。
白髪染めのあと、少しかゆくなりますが、すぐおさまります。続けて大丈夫ですか?
日本ヘアカラー工業会は、かゆみだけでも、染めるたびに感じたり強く感じたりする場合は、アレルギーの可能性が高いので、以後ヘアカラーは使わないよう呼びかけています。気づかずに染め続けると、症状がひどくなることがあります。皮膚科で相談してください。
冬になると、頭皮がかゆくなりやすいのはなぜですか?
日本皮膚科学会は、冬の外気や室内の暖房で湿度が下がることを、肌が乾燥する代表的な原因に挙げています。熱すぎるお湯や洗いすぎも乾燥につながります。お湯は38〜40℃にして、部屋の加湿も考えてみてください。
何日続いたら、皮膚科に行けばいいですか?
公的な資料に、日数の目安は見当たりませんでした。日数よりも、白髪染めのあとに出た、赤みやぶつぶつがある、首や顔に広がる、洗い方を変えても続く、といったサインで判断してください。白髪染めのあとの異常は、すぐに受診します。

参考にした資料
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A「かぶれ」
https://qa.dermatol.or.jp/qa4/q19.html - 日本皮膚科学会「接触皮膚炎診療ガイドライン2020」
https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/130_523contact_dermatitis2020.pdf - 日本皮膚科学会「皮膚瘙痒症診療ガイドライン2020」
https://www.dermatol.or.jp/dermatol/wp-content/uploads/xoops/files/guideline/souyouGL2020.pdf - 日本皮膚科学会・日本アレルギー学会「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2024」
https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/ADGL2024.pdf - 日本皮膚科学会「皮脂欠乏症診療の手引き2021」
https://www.dermatol.or.jp/dermatol/wp-content/uploads/xoops/files/guideline/131_2255.pdf - 政府広報オンライン「ヘアカラーによる「かぶれ」に要注意!」(取材協力 消費者庁・2025年7月24日)
https://www.gov-online.go.jp/article/201905/entry-8364.html - 日本ヘアカラー工業会「ヘアカラーによるアレルギー反応(かぶれ)を経験された方へ」
https://www.jhcia.org/rash/5_experienced.html - 消費者庁 消費者安全調査委員会「毛染めによる皮膚障害」報告書 概要(2015年)
https://www.caa.go.jp/policies/council/csic/report/report_008/pdf/8_houkoku_gaiyou.pdf



