髪がパサパサになる原因と改善|広がる毛先を落ち着かせる手順

美容師 中村一成
銀座の美容室LUJU代表・美容師15年目
2026年10月16日 公開
シャンプー台で、手のひらにとった泡をお客様の髪になじませる前の様子
ぬれた髪は、やわらかく傷つきやすい状態。泡で包んで、こすらずに

髪がパサパサになる原因は、髪の表面をおおうキューティクルがめくれたり削れたりすることと、内側の成分が流れ出て空洞ができることです。手ざわりが引っかかり、毛流れがそろわなくなって、広がって見えます。

改善の近道は、高いトリートメントを足すより前に、毎日の「洗う・乾かす」で髪をこすらないこと。この記事では、パサパサの原因と、家で今日から変えられる手順を、花王の研究資料をもとに整理しました。

この記事の要点

  1. パサパサの正体は、表面のキューティクルのめくれと、内側の空洞。なめらかで中が詰まった髪ほど、まとまります
  2. 原因は、カラーやパーマ・摩擦・高い熱・紫外線など。毛先は洗う回数もとかす回数も多いぶん、傷みが進んでいます
  3. ぬれた髪をこすらない、1か所に温風を当て続けない、根元から毛先へ乾かす。この3つが改善の土台です

01髪がパサパサになるのは、なぜ?

髪は、外側をうろこ状のキューティクルが何枚も重なっておおい、その内側にコルテックスという芯があります。花王の資料によると、健康な髪はキューティクルのめくれが少なく表面がなめらかで、内側は空洞が少なく、密に詰まっています。

この2つが保たれている髪は、引っかかりがなく、弾力とツヤがあり、毛流れがそろってまとまりやすい。逆に、どちらかがくずれると、手ざわりがざらつき、1本1本が別の方向を向いて、広がって見えます。これが「パサパサ」の正体です。

うるおって見える髪パサパサに見える髪
表面(キューティクル)めくれが少なく、なめらかめくれ・削れがあり、引っかかる
内側空洞が少なく、密に詰まっている成分が流れ出て、空洞が多い
見え方毛流れがそろい、まとまる毛先が広がり、ツヤが出にくい
花王 ヘアケアサイト「傷みによる髪の変化」をもとに作成

キューティクルが傷んで薄くなると、内側の成分はさらに流れ出やすくなります。表面の傷みと内側の傷みは、別々ではなく、つながって進みます。

02髪がパサパサになる、主な原因

花王は、髪が傷む原因を次のように整理しています。ひとつだけが原因ということは少なく、いくつかが重なっていることがほとんどです。

原因髪に起きること
ヘアカラー・パーマキューティクルの層どうしの結びつきが弱まり、小さな摩擦でもはがれやすくなる。内側の成分が洗髪で流れ出やすくなる
摩擦・引っぱり洗う・ふく・とかすときのこすれで、キューティクルが削れる。削れた端が引っかかって、さらに削れる
高い熱100℃以上の加熱をくり返すと、内側のたんぱく質が部分的に変わり、空洞が増える
急な乾燥温風を1か所に当て続けると、キューティクルがそり返って浮き上がる
紫外線強い日差しを長く浴びると、表面の脂質が失われ、内側の結びつきも切れる
プールの塩素キューティクルのたんぱく質が変わり、はがれやすくなる
花王 ヘアケアサイト「キューティクルの傷み」「髪の内部の傷み」「その他の影響」ほかをもとに作成

毛先ほどパサパサするのは、傷みが積み重なっているから

根元の髪は生えたばかり、毛先の髪は何年も前に生えた髪です。花王は、毛先はシャンプーやスタイリングの回数が多いぶんキューティクルの傷みが進み、枚数も少なくなっている、と説明しています。髪が長いほど、根元と毛先の差は大きくなります。

「頭皮はベタベタなのに、髪はパサパサ」という方がいるのも、このためです。皮脂が出るのは地肌、傷みがたまっているのは毛先。場所が違うので、両方が同時に起こります。洗うのは地肌、守るのは毛先、と分けて考えてください。

年齢とともに、パサついて見えやすくなる

傷みとは別に、年齢による変化もあります。花王は、年齢とともに不規則に細かくうねった髪の割合が増え、ツヤやまとまりが落ちやすくなること、生えてくる髪の内側の脂質が減って、しなやかさが下がる傾向があることを報告しています。40代、50代で「同じお手入れなのに、急にパサパサしてきた」と感じるのは、めずらしいことではありません。

03改善の手順1:ぬれた髪を、こすらない

髪は、ぬれるとやわらかくなり、傷つきやすくなります。パサパサを進めないために、まず変えたいのがお風呂とその直後です。

  1. 洗う前に、毛先からとかすからまりを先にほどいておくと、洗うときに髪を引っぱらずにすみます。
  2. 泡立ててから、地肌を洗う髪どうしをこすり合わせません。毛先は、流れてきた泡が通るだけで十分です。
  3. トリートメントは、毛先を中心に表面をなめらかにして、摩擦を減らす役目です。地肌にはつけません。
  4. タオルは、はさんで押さえるごしごしふかず、タオルで髪をはさんで水気を移します。
  5. ぬれたまま、置かないやわらかい状態が長く続くほど、枕や服とのこすれで傷みます。早めに乾かします。
シャンプー台で髪を洗っている様子
洗うのは地肌。毛先は、流れてきた泡が通るだけで十分です

04改善の手順2:根元から、まんべんなく乾かす

ドライヤーそのものが悪いわけではありません。花王によると、急な乾燥でキューティクルが浮き上がるのは、熱そのものより、1本の髪の外側と内側で乾き具合の差が大きくなることが原因です。対策は、頭全体を行き来しながら、少しずつまんべんなく乾かすこと。

  1. 根元から乾かす。ドライヤーを持たない手の指先を地肌に当て、小さく動かしながら風を入れます
  2. 風は、根元から毛先の向きに。毛先に直接、風を当て続けません。根元が乾くと毛流れがそろい、毛先は自然にまとまります
  3. 指でさわって、さらさらしたら乾いた合図。冷たく感じる所は、まだ水分が残っています
  4. 最後に冷風を当て、髪の温度を戻してから、形を整えます

花王の調査では、翌朝にくせがつかないほどしっかり乾かしている人は、10%以下でした。半乾きで寝ると、まだやわらかい髪が枕でこすれます。乾かす時間を数分のばすだけで、翌朝の広がり方が変わります。

ヘアアイロンを毎日使う方は、温度と回数を見直してください。100℃以上の加熱のくり返しで内側の空洞が増える、というのが花王の説明です。同じ場所に何度も通さない、ぬれた髪に当てない、の2つは守りたいところです。

LUJUで仕上げた、ツヤのあるロングヘア
表面がなめらかで毛流れがそろうと、毛先まで落ち着いて見えます

05トリートメント・カット・染め方で、変えられること

「髪 パサパサ トリートメント」「オイル」と調べる方は多くいます。洗い流さないトリートメントやオイルは、髪の表面をなめらかにして、摩擦を減らし、毛流れをそろえやすくするものです。乾かす前に、毛先を中心に少量。つけすぎると、重さで束になって見えます。

つけるもので変えられること

手ざわり
表面のすべりをよくする
広がり
浮いた毛をおさえ、向きをそろえやすくする
これからの傷み
とかす・乾かすときの摩擦を減らす

つけるものだけでは変えにくいこと

裂けた毛先
枝毛や切れ毛は、切って整える
根元のうねり
生えてくる髪の形そのもの
染め方の負担
毛先に薬を重ねる回数

美容室でできるのは、主に3つです。傷みがたまった毛先を切って整えること。毛流れがおさまりやすい形にすること。そして、染め方を見直すこと。白髪染めを毎回全体にしている方は、ふだんは根元だけ、毛先はときどき、に変えるだけで、毛先に薬が重なる回数が減ります(白髪染めのリタッチの記事で説明しています)。

LUJUのメインコースは、カラーと骨格に合わせたカットを、約2時間で行います。カウンセリングでは、マイクロスコープで頭皮を拡大した写真をいっしょに見て、その日の地肌を確認してから、染め方を決めます。

窓ぎわの席で、中村一成がお客様に説明している様子はじめての方におすすめ

このページで紹介した白髪染め

LUJUメインコース

  • 約2時間
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06よくある質問

髪がパサパサで広がるのは、乾燥のせいですか?

空気の乾燥だけが原因とは限りません。表面のキューティクルがめくれていたり、うねった髪が混ざっていたりすると、毛流れがそろわず広がって見えます。まず、ぬれた髪をこすらないことと、根元から乾かすことを試してください。

50代になって、急に髪がパサパサしてきました。なぜですか?

年齢とともに、うねった髪の割合が増え、生えてくる髪の内側の脂質が減る傾向があると花王が報告しています。白髪染めの回数が増える時期とも重なります。くわしくは更年期の髪の記事にまとめました。

頭皮はベタベタなのに、髪はパサパサです。どう洗えばいいですか?

地肌は指の腹でしっかり洗い、毛先はこすらず泡を通すだけにします。トリートメントは毛先だけにつけ、地肌にはつけません。皮脂が出る場所と、傷みがたまっている場所が違うので、洗い方も分けて考えます。

自然乾燥のほうが、髪にやさしいですか?

ぬれた髪はやわらかく、傷つきやすい状態です。そのまま置くと、枕や服とのこすれで傷みが進みます。温風を1か所に当て続けないようにして、ドライヤーで早めに乾かすほうをおすすめします。

パサパサした毛先は、切ったほうがいいですか?

枝毛や切れ毛になっている毛先は、切って整えるのが確実です。大きく切らなくても、毛先を少し整えるだけで、引っかかりが減ってとかしやすくなります。長さを変えたくない方は、その希望も合わせて美容師に伝えてください。

シャンプー台で髪を洗っている様子

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美容師 中村一成

この記事を書いた人

中村一成

銀座の美容室LUJU代表・美容師15年目

銀座の美容室LUJU(ルジュ)代表。美容師15年目で、これまで1万人以上の髪と顔に触れてきました。髪と肌を一緒に見る美容師として、地肌を守る白髪染めと、肌を育てるケアを続けています。Instagramのフォロワーは16.5万人。『美ST』2025年3月号に掲載。

Instagramを見る(@nakamura_luju_wellaging)

参考にした資料

  1. 花王 ヘアケアサイト「髪の構造変化と傷み意識」「キューティクルの傷み」
    https://www.kao.com/jp/haircare/hair/3-2/
  2. 花王 ヘアケアサイト「髪の内部の傷み」「パーマ・ヘアカラーなどの化学処理の影響」
    https://www.kao.com/jp/haircare/hair/3-3/
  3. 花王 ヘアケアサイト「その他の影響(急激な乾燥・塩素)」
    https://www.kao.com/jp/haircare/hair/3-8/
  4. 花王 ヘアケアサイト「うねり毛の増加と、ツヤ・まとまりにくさ」「内在脂質の減少」
    https://www.kao.com/jp/haircare/hair/4-3/
  5. 花王 ヘアケアサイト「パサつき・くせ毛対策にもなる、乾かし方・スタイリングの手順」
    https://www.kao.com/jp/haircare/scalp-care/9-9/