秋の抜け毛対策|女性が家でできる洗い方・乾かし方・暮らしの見直し

美容師 中村一成
銀座の美容室LUJU代表・美容師15年目
2026年10月9日 公開
シャンプー台で、よく泡立てたシャンプーで髪と地肌を洗っている様子
抜け毛が気になる時期こそ、洗うのをためらわず、地肌までていねいに

秋の抜け毛に、これをすれば止まるという特別な対策はありません。日本皮膚科学会も、抜け毛の特別な予防法があるわけではないとしたうえで、原因をつくらない生活とヘアケアを意識することが大切だと説明しています。

では、家では何をすればよいのか。この記事では、洗い方、乾かし方、髪の扱い、食事と休息の4つに分けて、今日から変えられることをまとめました。洗い方と乾かし方は、花王のヘアケアの資料をもとにしています。

この記事の要点

  1. 秋の抜け毛は、髪の生えかわりのリズムによるもの。止める方法はなく、できるのは「余計な原因を足さない」ことです
  2. 洗う回数を減らすより、頭皮にシャンプーを行き渡らせて、時間をかけてすすぐ。乾かすときは根元から
  3. きつく結ぶ髪型や、間隔の短すぎるカラーは控えめに。円形に抜ける、頭皮が赤い・かゆいときは皮膚科へ

01秋の抜け毛対策で、できること・できないこと

秋に抜け毛が増えたと感じるのは、夏に「休む時期」に入った髪が、2〜3か月かけて抜けていくためと考えられています。これは髪の自然な生えかわりで、シャンプーや食べ物で止められるものではありません。くわしい仕組みは、別の記事にまとめています。

そのうえで、家でできることはあります。日本皮膚科学会が、抜け毛を防ぐ生活の注意として挙げているのは、次のようなことです。

見直すところ日本皮膚科学会が挙げていること
洗い方自分に合ったシャンプーやコンディショナーを使い、頭皮が乾燥しすぎたり、脂っぽくなったりしない頻度で洗う
髪の扱い髪に負担のかかる髪型や、極端に頻回のカラーリングはなるべく避ける
食事髪の新陳代謝には各種のビタミン、ミネラルが関係している。バランスのとれた食生活を
休息体に過度の負担がかかって起こる脱毛もある。無理をせず、適度に休み、規則正しい生活を
日本皮膚科学会 皮膚科Q&A「脱毛症 Q18」をもとに作成

どれも地味ですが、秋は「抜ける準備ができた毛」が多い時期です。この時期に、頭皮の荒れや、髪を引っぱる力といった余計な原因を足さないこと。それが、家でできる対策の中心になります。

02洗い方:回数を減らすより、行き渡らせてすすぐ

抜け毛が気になると、洗うのが怖くなって回数を減らす方がいます。けれど、洗うときに落ちる毛の多くは、すでに抜ける準備ができていた毛です。洗わない日をつくっても、次に洗う日にまとめて落ちるだけで、抜ける本数が減るわけではありません。

花王は、洗髪のいちばんの目的を、頭皮に広がった皮脂と、それが変化したものを洗い流すことだと説明しています。古い皮脂が長く残ると、頭皮への刺激やにおいのもとが増えます。洗う頻度は、かゆみ・におい・べたつきが気にならない間隔が目安です。

多くの人ができていない、3つのポイント

花王の調査では、次の3つができていない方が多かったそうです。秋の抜け毛対策としても、まずここを見直してください。

  1. 髪と頭皮を、しっかり濡らす指で髪をかき分けながら、頭皮まで濡らします。よく濡れているとシャンプーが泡立ち、なめらかな泡が髪どうしのこすれを和らげます。
  2. シャンプーは、頭皮に行き渡らせるつける場所は、洗い残しやすい耳の上と後頭部、それに頭頂部。指の腹を頭皮に当てて、小刻みに動かします。こめかみや後頭部は、髪を上下に分けると指が届きやすくなります。
  3. すすぎは、頭皮に触れながら時間をかける指の腹で頭皮に触れて小さく動かし、ぬるつきが残らないようにすすぎます。耳のうしろから後頭部の真ん中は残りやすいので、最後にもう一度確かめます。
シャンプー台で、美容師の中村一成がお客様の髪を洗っている様子
すすぎも「洗っている途中」。耳のうしろから後頭部は、最後にもう一度

濡らす前に、からまりをほどく

濡れた髪はやわらかく、こすれると傷みやすくなります。からまったまま洗うと、ほどこうとして髪を引っぱることになります。濡らす前に、手ぐしや目の粗いくしで、毛先から少しずつほどいておきます。引っかかったら通しきらず、いったん抜いて毛先からやり直すと、髪に大きな力がかかりません。

2度洗いは、泡立たないときだけ

花王によると、十分に泡立って、頭皮にシャンプーが行き渡っていれば、洗うのは1度で足ります。整髪料を多く使った日や、泡立ちが悪いときは、いったんすすいでから、もう一度洗います。シャンプーの量は、あごから肩までの長さでポンプ2押しほど、肩から脇の下までで3押しほどが目安です。

03乾かし方:根元から、こすらずに

洗ったあとは、濡れている時間を短くします。濡れた髪はやわらかく、とても傷みやすい状態です。髪どうしがこすれるだけでも、表面のキューティクルが削れていきます。

  1. タオルは、こすらず押さえる長い髪は、タオルで包んでやさしくたたき、水気を取ります。根元は、タオルをかぶって指の腹でふき取ります。根元の水分をしっかり取っておくと、ドライヤーの時間が短くなります。
  2. ドライヤーは、根元から指で根元を小さく揺らしながら、風を入れます。乾かし残しやすいのは、髪が重なる後頭部と、耳の上の根元です。
  3. 根元から毛先へ、流れをそろえる毛先から先に整えようとすると、根元が乾き残ります。根元が乾いてから、毛先に向かって風を当てます。
  4. 最後に、冷風で室温に戻す指に吸いつく感じがなくなり、さらさらになったら乾いた目安です。

濡れているあいだは、目の細かいブラシを通さないこと。花王は、濡れた髪を整えるときは、目の粗いくしやブラシでラフに流れを整える程度にするよう勧めています。ブラシを使ってブローするなら、乾ききる手前からで十分です。

04髪の扱い:引っぱらない、染めすぎない

日本皮膚科学会は、髪に負担のかかる髪型はなるべく避けるよう勧めています。毎日、同じ位置できつく結ぶ。分け目をずっと同じにしている。こうした習慣がある方は、秋のあいだだけでも、結ぶ位置や分け目をときどき変えてみてください。

続けたいこと

結ぶとき
ゆるめに。位置を日によって変える
とかすとき
毛先から少しずつ。回数は少なめに
手ぐせ
髪に指を通す、からまりをほどくしぐさを減らす

控えたいこと

髪型
毎日、同じ位置で強く引っぱって結ぶ
濡れた髪
濡れたまま目の細かいブラシでとかす
カラー
間隔の短すぎるカラーをくり返す

白髪染めは、やめなくていい

抜け毛が気になる時期に、白髪染めをやめたほうがよいか迷う方もいます。日本皮膚科学会が避けるよう勧めているのは「極端に頻回の」カラーリングです。間隔をあけて染めること自体を、やめる必要はありません。間隔の目安は、下の記事にまとめています。

ただし、頭皮に赤み・かゆみ・傷がある日は、染めないでください。日本ヘアカラー工業会も、頭や顔、首すじに、はれもの・傷・皮膚の病気があるときは使わないよう注意しています。

05食事と休息:特別なものより、欠かさないこと

「抜け毛に効く食べ物」を探す方は多いのですが、日本皮膚科学会が勧めているのは、特定の食品ではなく、バランスのとれた食生活です。髪の新陳代謝には、いろいろなビタミンやミネラルが関係しているためです。

気をつけたいのは、足すことより、欠かすことのほうです。日本皮膚科学会は、大きな手術や重い感染症、妊娠、過激なダイエットのあとに、毛の生えかわりが乱れて抜け毛が増えることがある(休止期脱毛)と説明しています。夏に食事を抜きがちだった方、急に体重を落とした方は、まず3食を戻すことから始めてください。

  • 食事を抜かない。主食・主菜・副菜をそろえる
  • 急なダイエットをしない
  • 無理をせず、適度に休む。寝る時間と起きる時間をそろえる
  • 抜け毛の量と頭皮の状態を、ふだんから見ておく

1日1分、頭皮に触れて確かめる

最後の「見ておく」は、日本皮膚科学会も大切だとしていることです。変化に早く気づければ、早く皮膚科に行けます。シャンプーのついでに、指の腹で頭皮を前後に動かしてみてください。赤いところ、かゆいところ、触ると違和感があるところがないかを確かめます。これは抜け毛を減らすためのものではなく、自分の頭皮を知っておくための習慣です。

シャンプー台で、美容師の中村一成がお客様の頭皮をケアしている様子
洗うついでに、頭皮の様子を確かめる習慣を

こんなときは、対策より先に皮膚科へ

  • 円形に抜けているところがある
  • 頭皮に赤み・かゆみ・痛みがある、フケが急に増えた
  • 分け目や頭頂が、前より目立つようになってきた
  • 冬を越えても、抜け毛が減らない

抜け毛の原因はさまざまで、治療は原因によって変わります。原因を調べて治療するのは皮膚科の仕事で、美容院では診断はできません。

06美容室で、できること

美容室は、抜け毛を治す場所ではありません。できるのは、自分では見えない頭皮の様子を一緒に見ることと、髪と頭皮に負担の少ない染め方・洗い方をすることです。

LUJUでは、カウンセリングのときに、マイクロスコープで頭皮を拡大した写真を見ながら、その日の地肌をいっしょに確認します。赤みや傷がある日は、無理に染めない提案もしています。白髪染めは、根元を地肌から約0.1mm浮かせて塗る「ゼロテク」で行い、ハケを地肌に当てません。

抜け毛が気になっていることは、予約のときやカウンセリングで、ひと言伝えてください。気になる症状があるときは、先に皮膚科で相談してから来ていただくのが安心です。

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07よくある質問

秋の抜け毛は、シャンプーを変えると減りますか?

シャンプーで季節の抜け毛を止めることはできません。日本皮膚科学会が勧めているのは、自分に合ったシャンプーを使い、頭皮が乾燥しすぎたり脂っぽくなったりしない頻度で洗うことです。洗ったあとにかゆみやつっぱりが出るなら、合っていないサインかもしれません。

抜け毛が多い時期は、毎日洗わないほうがいいですか?

洗う回数を減らしても、抜ける本数は減りません。花王は、かゆみ・におい・べたつきが気にならない頻度で洗うよう勧めています。回数より、頭皮にシャンプーを行き渡らせて、よくすすぐことを意識してください。

自然乾燥とドライヤー、どちらがいいですか?

濡れた髪はやわらかく、こすれて傷みやすい状態です。タオルで水気を押さえたら、根元からドライヤーで乾かし、濡れている時間を短くしてください。

食べ物やサプリで、抜け毛対策はできますか?

日本皮膚科学会が勧めているのは、特定の食品ではなく、ビタミンやミネラルのそろった、バランスのとれた食生活です。食事を抜いたり、急なダイエットをしたりしないことのほうが大切です。サプリメントを使いたいときは、医師や薬剤師に相談してください。

対策をしても減らないときは、どうすればいいですか?

冬を越えても多いとき、円形に抜けるとき、頭皮に赤みやかゆみがあるとき、分け目や頭頂が前より目立つときは、皮膚科で相談してください。抜け毛の原因はさまざまで、治療は原因によって変わります。

シャンプー台で髪を洗っている様子

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美容師 中村一成

この記事を書いた人

中村一成

銀座の美容室LUJU代表・美容師15年目

銀座の美容室LUJU(ルジュ)代表。美容師15年目で、これまで1万人以上の髪と顔に触れてきました。髪と肌を一緒に見る美容師として、地肌を守る白髪染めと、肌を育てるケアを続けています。Instagramのフォロワーは16.5万人。『美ST』2025年3月号に掲載。

Instagramを見る(@nakamura_luju_wellaging)

参考にした資料

  1. 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A「脱毛症 Q18 抜け毛を防ぐ生活上の注意点」
    https://qa.dermatol.or.jp/qa11/q18.html
  2. 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A「脱毛症 Q17 他の病気と関連する脱毛」
    https://qa.dermatol.or.jp/qa11/q17.html
  3. 花王 ヘアケアサイト「髪と頭皮にやさしい洗髪方法」「洗髪のQ&A」
    https://www.kao.com/jp/haircare/scalp-care/8-1/
  4. 花王 ヘアケアサイト「乾かし方のポイントとしくみ」「髪と頭皮のお手入れ10か条」
    https://www.kao.com/jp/haircare/scalp-care/9-4/
  5. 日本ヘアカラー工業会「酸化染毛剤の使用上の注意事項」
    https://www.jhcia.org/haircolor-abc/caution.html